前回「マイナス金利の先にあるもの4 - 異次元緩和はデフレ政策?」では、リフレ政策であるはずの異次元緩和が、そもそもデフレ政策なのではないかということを書きました。

どうも経済理論による目論見とその実践結果が真逆になっているように思います。

本当に経済理論は正しいのでしょうか?

ここから先、いよいよ「僕の考えた経済学」が佳境に入って行きます。

technoteの勝手な思い込みですので、マネしないでくださいね笑


日本経済再生の最後のギャンブルと言っていいアベノミクス。

しかし経済成長率は民主党時代すら超えることができず、実質賃金は低下。(technoteは民主支持ではありませんが)

マイルドインフレどころかデフレ脱却も果たせず、国民一人当たりの借金は増加を続けています。


なぜこうなってしまったのか?

それはおそらく、アベノミクスが柱としているリフレ理論が、

それ以前に経済学全般が、まだ再現性を持つようなものになってないからだと感じています。


金利を下げれば経済は活性化する?

例えば金利を下げれば経済が活性化する。アニマルスピリットだという。

ケインズの言っていたこの話は、不完全な議論だと思います。


お金が必要なところにお金を増やせば、金利を下げれば、それは経済を刺激するでしょう。

しかしアベノミクスで分かったことは、いくら金利を下げても、いくらお金を積んでも、だれも使わなかったということです。


ケインズの時代には社会資本が未整備であり、お金さえあればやれることがたくさんあった。

そこにお金を増やせば、金利を下げれば、経済が動き出した。

アニマルスピリットというのは、暗黙の裡に需要が存在することを前提にしていたんじゃないかと思います。


Mr.世捨人はいなかった

日銀は異次元緩和と銘打って、大量の国債を購入し、日銀当座預金口座に現金を積みました。

利率は0.1%。

0.1%よりわずかでも高く貸せば、当座預金口座に寝かせておくより利ザヤが取れるはずです。

しかし動いた預金は20兆前後。当座預金口座全体の10%もありませんでした。

BJ_MABS1AN113

http://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/mabs1an113.html

日銀はさらにおしりをたたきます。

言うことを聞かないならペナルティだと。

貸し出しに回さなければ、マイナス金利で減らしてしまうぞと。


借りてくれる人は現れるのでしょうか?


どうもそうは思えません。

2000年から日銀はゼロ金利政策を断続的に続けています。

量的緩和もアメリカより前から導入していました。


この間、銀行員は遊んでいたのでしょうか?

そうではないと思います。

足を棒にして日本国中隅々を回り、金利が安いですよ借りませんかと持ち掛けています。

すでに15年以上そうやって、これ以上は下がらないだろうと思われる低金利で借り手を探してきました。

しかしそんな人は、もうこれ以上いなかったのです。


考えてみれば当然かもしれません。

テレビもあればインターネットもある。

いまだに金利が高いと誤解して借りるのを控えているなんて人が、どこかにいるとは思えません。

「マイナス金利を待ってたんだ。やっとこれで借りられる」そんな人がいるでしょうか?

そんなMR.世捨て人を、今日も銀行員は探しています。

しかしおそらく見つからないでしょう。


日本経済は常に全速

つまりゼロ金利の状態であれば、それはその国の経済の全力なのです。

それ以上いくらお金を積んでも、経済が加速することはないはずです。

リフレ派はまだカネの量が足りないと言い張りますが、おかしな話です。
上のグラフのように桁外れのお金を積んでもびくともしないのだから、理論自体が間違っていることを認めるより他はないと思います。


金利がゼロ近傍に近づくと金利低下の効果が薄れることを、経済学では流動性の罠という考え方で説明しますが、それにも違和感があります。

債券と貨幣の交換動機以前に、金利がゼロ近傍に近づくまでに、投資や消費における社会の資金需要をすべて満たしてしまうからではないかという気がします。

経済学は、特に貨幣経済学の分野においては、あまりにも人間を軽視しすぎていて、社会の実需というものを見逃しているように思います。


あれ?

それにしては株価は上がったよね?

ゼロ金利で全力なら、それ以上株価は上がらないんじゃないの?という疑問がわきますが、それについては次回。

アベノミクスとは何だったのか。

続きます


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