sankuu



久しぶりの出現で話題になってますね。

ちなみに三空とは、江戸時代の相場師の本間宗久という人が考案したテクニカル指標のひとつです。


→『三空踏み上げ』とは、投資家の予想をはるかに超える好材料が出た事などで、4本のロウソク足の間に窓を開けたもの。相場の天井打ちを暗示し、売りシグナルとなります。

http://www.rizumu.net/signal/%E4%B8%89%E7%A9%BA%E8%B8%8F%E3%81%BF%E4%B8%8A%E3%81%92/



今回の三空


今回の値動きは以下のようになりました

Date Open High Low Close
2014/02/13 14786 14788 14488 14535
2014/02/12 14822 14875 14769 14800
2014/02/10 14648 14726 14568 14718
2014/02/07 14387 14472 14357 14462
2014/02/06 14233 14308 14155 14155


・2/7の安値は、前日2/6の高値より高い

・2/10の安値は、前日2/7の高値より高い

・2/12の安値は、前日2/10の高値より高い


それぞれ窓を開けてギャップアップしており、三空を形成しました。

そして翌日2/13は三空の教えどおり、下落となりました。



過去の三空


1989年以降のデータで調べてみると、三空を形成した際の値動きは以下のようになっています。


Date Open High Low Close 翌日 1週間後
2014/02/12 14822 14875 14769 14800 14535 #REF!
2012/11/19 9141 9183 9135 9153 9143 9423
2012/10/18 8887 8992 8877 8983 9003 9055
2012/06/07 8639 8648 8600 8640 8459 8569
2009/12/24 10413 10558 10413 10537 10495 10655
2007/06/18 18127 18194 18113 18150 18164 18087
2005/08/11 12178 12285 12167 12263 12262 12307
2004/11/05 11040 11090 11023 11062 10984 11020
2004/01/05 10788 10862 10786 10825 10814 10850


三空上昇形成当日の終値と翌日終値、さらに一週間後の終値を比較したものです。

ブルーは当日と比較して値下がり。ピンクは値上がりです。

翌日は値下がりすることが多いのですが、一週間後は逆に値上がりしている確率が高いことがわかると思います。


三空は確率が低く、本来はよほどのことが無いと出現することはありません。

3日連続でギャップアップしたまま上昇するというのは行き過ぎた上昇と考えられ、翌日は上昇一服となることが多いのですが、強い相場であることは変わりが無いため、一週間後はやはり上昇に転じていることが多いものと考えられます。


出現が2004年以降の量的金融緩和期に偏っているのも面白いですね。

1989年以降の15年間は出現がありません。

やはり量的金融緩和は不安定な相場を作り出すようです。


近年で三空が通用しなかったのは2012/10/18であり、25日線より下の安値圏からの出発です。

このときは翌日も一週間後も上昇となっています。

1989年以前のデータを調べてみても、安値圏で出現した場合は失敗する確率が高いようです。


さて、今回はどうなるのでしょうか。

上記は過去の例ですので、実際の投資についてはご自身で考えてくださいね。



アメリカには三空はない?


ちなみにNYダウでは過去に三空はありません。

これは日本とアメリカでは取引のルールが異なるためだと思います。


日本は独自の板寄せという値決め方式を取っており、寄付前の板状況により、なるべく多くの人が満足するような値段で始値を決めます。

それに対してアメリカでは前日終値を基準として当日の取引を開始するため、よほど特殊な状況(成行売りが一本もないとか)でない限り、ギャップアップすることはありません。


ダウもS&P500も、三空どころか一空でさえ、数年に一度しかありません。

三空は日本独自の戦略ですね。


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