(前回の記事 → 日本株はどこまで下がる? )
5/23の大暴落 以来不安定な相場が続いていますが、いったいどこで下げ止まるのか?
先週に引き続き考えてみたいと思います。
先週こう書きました。
>分岐点は日経平均13340円と13185円
>
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>5/30の日経13556円は安値の重要な候補だったのですが、昨晩のNY市場の下げ方を見ると厳しいかもしれません。
>黄金比61.8%戻しは13340円。次はここが目安になると思います。
>
>
>ここで下げ止まらないようだと、次は三分の二戻しの13185円。
>反騰する場合には、ここが最後の砦でしょう。
>その後はもう100%戻しの11806円が意識されてしまいます。
しかしまったく下げ止まらず、昨日の安値はついに12548円。
最高値15943円から21.3%の下落となってしまいました。
NYの相場格言に「20%超下落したらベアマーケット入り」というのがあります。
確かに上昇局面のさなかに20%超下落することは無いのです。
一連の上昇局面の、期間途中の最大下落は
ITバブル時 14.3%
小泉構造改革時 20.0%
世界金融危機リバウンド(2009.3-2010.4)時 15.7%
下落幅が20%を明らかに超えた場合は、それ以降高値を更新することは無く、前回安値を割り込んでいます。
高値を更新することはもう絶対にないのか?
ここから先は「バブルが終わっていない理由を探す」態度で臨んでいるので、その分割り引いて読んでくださいね。
多分にバイアスがかかってます。
今回の下落は既に21.3%
平成バブル崩壊後のデータを探す限り、上昇局面の最中にこれほど大きな下落はありません。
感覚的にもデータ的にも、アベノミクスバブルの崩壊を否定できないところまで来てしまいました。
しかしながら先週も書いた通り、情緒的にはどうも違和感が残るのです。
「アベノミクスは本当に終わりなのか?」
しばらくアベノミクスに関する記事(アベノミクス4-財政政策 )を書くのをサボっていて、また来週あたりから書き始めようと思っていますが、私は個人的にはアベノミクスには懐疑的です。
しかしマーケットの論調を見る限り、私の意見が多数派とはとても思えないのです。
あれだけ大騒ぎして世界中が拍手で迎えたアベノミクスが、半年で終わるだろうか?
市場は早くも失敗と予想している?まだ何も始まっていないのに??
データはバブル崩壊の可能性が極めて高いと言っているので、自分のイメージを修正しようと試みましたが、今回はどうしても違和感を拭えません。
いくらなんでもおかしくないだろうか?
そう思って、バブルが終わっていない理由を探すことにしました。
例外は一度だけ
例によって、手元にある戦後東証再開からの日経平均日足データを用いて探してみます。
経済状況が違うのは承知の上で、捜索範囲を平成バブル崩壊以前に広げました。
・・が、しかし
やはりありません。
オイルショックインフレでも、日本列島改造論でも。
大阪万博、所得倍増計画、朝鮮戦争特需・・等々。
いずれの上昇時期も、期間途中で20%超下落したことはありません。
昭和の時代は基本的に上げ相場なので、下落してもバブル前の安値を割り込むことはないのですが、20%超の下落が発生した場合は次の上昇までに長期間の下落に見舞われており、一連の流れとは言えない次の経済イベントの発生を待たなくてはなりません。
しかし一度だけ、20%超の下落に見舞われた後早期に反転し、上がり続けたことがあります。
それはブラックマンデーです。
ブラックマンデーの値動き
ブラックマンデーの時の値動きを書いてみると
初日の暴落:-14.9%
翌日の反発:+9.3%
次の底:6営業日後、-18,8%
大底:19営業日後、-23%
1ヶ月弱で大底をつけた後は徐々に反転し、約半年後に高値を奪回しています。
ブラックマンデーとの類似点
今回は初日の暴落が9.2%、翌日の反発が3.6%
仮に来週は反発するとして、昨日まで11営業日で21.3%の下落
・・似てるような、似てないような。
よくわかりません。
ただ、状況は似てるところがあると思います。
■要因■
アメリカの貿易収支の赤字幅が予想以上に膨らんでいたことや、1985年のプラザ合意以後のドル安打開のためにドルの金利が引き上げられる観測が広がっていたことが要因として挙げられる。
マイロン・ショールズとフィッシャー・ブラックによるブラック-ショールズ方程式のように高度な金融工学の登場とコンピュータの普及とが相まって、オプション市場と先物市場は爆発的な成長を見せた。
コンピュータの普及とブラック-ショールズ方程式の登場は大規模な株式ポートフォリオに保険を提供するようになっていた。このポートフォリオ・インシュランスは先物を使ったヘッジ手段である。
ポートフォリオの価値が市場を大きく上回っているときには先物売りは少ないが、市場が下落しだすと売りを増やし、損失と先物売りの利益がほぼ同じようになるようにする。従って、市場が下落し始めるとコンピュータが自動的に売り注文を出すようになり、売りが売りを呼ぶ展開となった。
この二ヶ月前、FRB議長職がポール・ボルカーからアラン・グリーンスパンへ引き継がれていたことも市場の不安心理をあおっていたと見られる。
ホラね。
・金融引き締め観測
・高速取引の普及と先物市場による撹乱
・FRB議長の交代
なんとなく似てるでしょ?
「時代背景も状況もまったく違うじゃねえか!それに今回は日本だぞ」っていう突っ込みはごもっとも。
似てるようで似てないけど、ざっくり言うと「何の前触れも無くいきなり暴落が始まった」ってところが似てる気がする。
ブラックマンデーの時も引き金らしいものは無く、漠然とした不安感がいきなり頂点に達し、市場参加者の動意がそろってしまった。
何かの指標発表があったわけでもなく、要人発言があったわけでもない。
今でも結局、ブラックマンデーの具体的な引き金はわかっていません。
突然エアポケットに入ったように全員が売り始めた。
そういうところが今回と似てるような気がします。
まあ似てるところを探しているのだから、そんな気がするのかもしれません。
ちなみにブラックマンデーの本国アメリカは高値奪還できず、そのまま上昇相場終了となっています。
情緒的判断を抜きにすれば、このまま高値を奪回できない可能性の方が高そうです。
仮にブラックマンデーと同じ展開なら・・
下げすぎのリバウンドから来週は反発しそうですが、ブラックマンデーと同程度の反発ならちょうど13500円前後となります。
その後は12300円の安値をつけ、半年かけて16000円を越えていきます。
12300円というのは先日の先物の夜間取引の安値と同じですね。
野田解散8650円から最高値15950円のちょうど半値押し水準でもあります。
来週一気に25日線(14300円付近)が奪回できれば風向きも変わるかもしれないけど、ちょっと遠いなあ。
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