アベノミクスの三本の矢。
金融政策については長くなるので、とりあえず財政政策から。
大規模な公共投資。借金まみれの国の財政で、その財源をどうやってまかなうのか?
国債を大量に発行して日銀に買わせるくらいしか思いつかないんだけど、まさにその通り、建設国債の買いオペらしいです。
日銀が買おうがどうしようが国の借金は増えるわけで、それは将来の税負担として国民にのしかかってきます。
よくネット上では日銀が買うから税負担は増えないみたいな変な話が流れてるけど、そんなことはありません。
国債を日銀が買っても、その国債を償還する原資は税金です。
日銀がとりあえずお金を出して国債を買い、政府はそのお金で公共投資をする
→公共投資をしたお金が民間に流れ、お金を受け取った人がさらにお金を使いGDPが増える
→GDPが増えた割合に応じて税収が増える
→その税収によって国債は償還され、国債の買い手の日銀に戻る
結局打ち出の小槌なんかではなくて、日銀から出たお金は民間に財政出動され、民間から税金として回収され、金利がついてきっちり日銀に戻ります。あたりまえですが。
さてこのとき、財政出動した分以上に税収が増えていれば国の財政は改善することになるけど、果たして改善するのか?
このあたりの試算はまちまちで、公共投資1兆円あたり1.5兆円くらい税収が増えるという人もいれば、0.4兆円くらいしか増えず、やればやるほど赤字という人もいます。
自民党は10年で200兆の国土強靭化計画を提出していますが、過去の大規模な経済対策 としては小渕政権(平成10年-11年)の2年で42兆がありました。
また、単年ですが、麻生政権(平成21年)では57兆の空前の経済対策もありました。
しかしどちらの場合も国の借金は増加し、将来の足かせが増えるだけの結果に終わりました。
株価も同様で、小渕政権ではITバブル崩壊、麻生政権では世界金融危機からのリバウンド終了で安値を割り込み、持続性はありませんでしたね。
麻生さんは当事者としてそれをよく知ってるので、2%の物価目標達成は簡単ではない と言っているのでしょう。
公共投資が税収として黒字で戻ってくる見込みがそれほど強くないのであれば、借金して大規模経済対策といういつものやり方には、あまり過度な期待はしないほうがいいんじゃないかなあという気がします。