創作卵焼き試論―大根の歯触り | 空色トートロジー

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結局何もわかっていない人の空転する思考と呼吸。

僕の家では卵焼きには甜菜糖をたっぷり入れて、

水をすこし加えて甘く、ふわっと作っていた。


おそらく父はそういう食べ物が嫌いだったせいか、

彼だけの食事の時にはだし巻き卵が並んでいた。


でも僕が今料理する時は、やはり甘い卵焼きを作る。

多分、ローゼンメイデンの金糸雀が持っていたお弁当の卵焼きと同じようなものだろう。


さて、『ハチミツとクローバー』では竹本は一巻の最初に

『自分で作った飯のまずさに驚いて』と語っていますが、

後々では松島で“中におばちゃんが入っているんじゃないか”と

言われるような凝った料理を披露してくれます。


しかも回想シーンで、帰りの遅い看護師のお母さんのために、

小さい頃から料理をしていて、創作料理まで作ることが出来ることになっていた!


・・・この齟齬は、元々ハチクロは短編として描かれていたために、

その時の設定からいつの間にか逸脱してしまったためだと思われます。


竹本って話が進むほどまめな性格が顕著になってくるから、

料理くらいできても全く不自然では無いのですが・・・


修復現場のシーンで出てくる料理に、「切干大根入りの卵焼き」があります。

亀吉っつぁんがタッパーに入れて持ち込んだものを

卵に混ぜて焼いたものです。


この箇所を読むたびにいつも感じるのですが、

これは切干大根をみじん切りにするのでしょうか?

それとも切干大根を卵でロール状に巻いてゆくのでしょうか?


今すごく気になっています。

切干大根をみじん切りにして、触感を楽しむ料理なのか、

それとももっと別の、切干大根そのままの味を生かす料理なのか・・・


卵焼きといえば、もう一つ気になることがあります。

数学者のピーター・フランクルさんのエッセイ『世界青春放浪記2 僕が日本を選んだ理由』で、

『日本はもやしが安いから、僕の好きなもやし入り卵焼きが毎朝食べられる』

と言うような箇所がありました。


僕は独り暮らしを始めた去年の春に、ちょっとこれを真似して作ってみたことがあるのですが、

もやしって茹でても結構大きさがあるので、卵焼きに“混ぜる”ことが困難でした。

そうして焼いているうちにはみ出たり、食べずらかったりして、

この試みはただの一度でやめてしまいました。


この反省を踏まえると、もやしを刻んで卵に入れることになるのですが、

もやしって刻んで食べるような食材でしたっけ?


あんまりもやしを刻んだことが無いので、未だにこの料理が想像できないです・・・


ピーター フランクル, Peter Frankl
僕が日本を選んだ理由―世界青春放浪記〈2〉 (集英社文庫)


羽海野 チカ
ハチミツとクローバー (7) (クイーンズコミックス―ヤングユー)