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技術経営とその周辺

「デザイン経営」宣言の深堀の続き

今回はアジャイル型開発プロセスの実施について深堀をしていきたい。

 

「デザイン経営」宣言 経済産業省・特許庁 産業競争⼒とデザインを考える研究会 2018年5⽉23⽇
https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/kenkyukai/kyousou-design/document/index/01houkokusho.pdf

上記のスライド7から引用させていただくと

 

⑤ アジャイル型開発プロセスの実施 

観察・仮説構築・試作・再仮説構築の反復により、質とスピードの両取りを⾏う。

 

上記のキーワードから深堀してみる。

 

ポイント1 アジャイル型開発プロセス

アジャイルソフトウェア開発宣言(Manifesto for Agile Software Development)はソフトウェアの世界で有名というか古典になっているが、アジャイルがあまりに使われすぎて本来の狙いが分かりにくくなってしまった。

中には中途半端な品質でいいからとりあえずリリースして後で直せばいいという言い訳にも使われてしまっている。

ウオーターフォール型の膨大な設計文書を作るのは無意味という反省から出てきたアイデアなのでちょっと過激なのであおる。

 

 
 
デザイン経営の観点から重要に思えるのは、短い周期のアップデートの繰り返しであり、プロトタイピングを通じてフィードバックを得ていくことであろう。早い段階で道を間違えたことに気が付けば、大きな手戻りがなく修正も少なくて済む。
ただ、これも製品のライフサイクルや市場に出してからの変更の容易さなどに依存する。特に安全性が高く求められる製品ではとりあえず出荷してユーザーのフィードバックを得るわけにはいかないので、シミュレーション等を活用したプロトタイピングとなるだろう。
 
ポイント2 観察・仮説構築・試作・再仮説構築の反復
観察というのは、エスノグラフィー手法など文化人類学など他の分野から持ち込まれたものであろうが、従来のマーケティングリサーチとは違う、デザイナーという感性の高い人が観察することで洞察できるものがあるだろう。単なるアンケート調査の結果から統計で決めるのとは違う。
 
仮説思考は経営コンサルの得意分野ではあるが、観察やプロトタイピングと組み合わせることで扱える幅がひろがっていく。
デザイン経営とはいえ、経営である以上は本質的には従来からの経営コンサルとやるべきことは変わらず、仮説検証においてデザイン手法が使えるという点であろう。
 
まとめ
経営コンサルだと改善項目が経営上のKPIで数値化しやすい点に頼りがちになるのに対し、デザイン経営では顧客体験などの測りにくいが競争力の上で重要な点を改善項目にできる。
結局のところ仮説を立てて課題を整理して解決策を絞り込んでいくのに、観察により気づかなかった課題の発見や、デザイン手法やプロトタイピングで解決策の筋の良し悪しを早期に確認できるという点がデザイン経営の手法の利点であるように思われる。