今年は満足に桜を見れた記憶がない中で、少し早いですが
だからこそ桜に関する話を書こうと思います。

今年の春は雨の日が続く記録的な気候で、満開の桜を青空の
下で見る事ができませんでした。秋もそうでしたね。週末毎に
雨模様が続き紅葉を見逃してしまいました。

草花の大体のイメージは、葉が伸びた後で花が咲きますね。

ソメイヨシノなど春の浅い時期に咲くものは花が葉より先に出る
ものが多い事になんとなく疑問がありました。(ちなみに桜は
葉と花が同時に開くものが品種としては多いんです)

葉を出すのは、光合成をして栄養を得るのが目的です。これらは、
出してもメリットが少ないからという説があります。
早春の弱い太陽では葉を持つことに勝るだけの栄養が作れない
から余計な体力を使わないようにしているということ。

また、大きな面積を持つ葉からは、沢山水分が蒸発します。
(=光合成をして栄養を蓄える為にも沢山の水を必要とする)
根は水を吸い上げなくてはなりませんが冬はカラカラです。

大きなカラダを維持するには栄養も必要ですし、夜間の気温が
低い時期は水分を保持すると末端が凍ってしまう恐れもあります。

それを防ぐ為にあえて秋に葉を落とすわけで、改めて葉を出すのは
光合成ができる環境が整ってから。だから今は真っ赤に
なった葉が一斉に落ちています。


次に花が早く咲く理由ですが、植物が花をつけるのは実(種)を
つけるためです。虫や鳥は冬場は花が無いので冬はとてもお腹が
空いています。1日でも他より早く葉よりも花を咲かせた方が有利!
というのも理由です。

花を咲かせるにも労力は必要ですが、本当に桜にとって大事なのは
その後。そして花を咲かせた後に葉が出てせっせと栄養を作って
いるというわけです^^

ちなみに花芽は前の年の晩秋に葉を落とした頃にはもうその元は
すでにできていて、蕾は水さえあれば開くことができるんです。


という事で、花の散った春先から、来年の花が咲くまでの約356日は
静かに着々と次の花を咲かせる準備をしていることになります。

植物は動くことも話すこともできませんが、1年にたった10日間程の
花を咲かせる為に懸命に生きているからこそ、見ると感動を覚えて
しまうのかもしれませんね^^

今は冬に向かっていますが既に数ヶ月先の準備は終わっている・・
そう思うと少し愛おしく感じます。


自分が若い頃、生き方に悩んでいる時にある方に言われた言葉が今も
忘れられず、それを心に留めながら毎日を生きているわけですが
その話も桜の「生き方」についてでした。

いつか花開くまでコツコツと頑張るからこそ、その期間はひとしおで
結果ばかりに目が行きがちですが、やはりプロセス(生き様)が大切
なんだという事を桜の木を見るたびに思い出します。