今、企業では「人材育成の費用」を思い切りカットしている。
人材不足の上、残業もしてはいけない風潮で業務をこなすので限界。
要領の良い人は、こなしながらも色々なことを吸収できるが
そこまでできない人ももちろんいる。

昔はコピーをしながら重要な資料を読み今起こっている
事をひそかに勉強できたり、お茶汲みと称して取引先や上司に
覚えてもらうなど、今考えると一見「無駄」と思える事が随分
重要だったのではと思う。ファジーな部分だ。

今は、限りなく人を仕組み化している。マニュアルどおりに
人が動くようになれば、今度は人でなくても良くなるからだ。
但し、今のやり方では「人だからできる部分」が見落とされて
うまく立ち行かなくなるのを現実に目の当たりにしている。
この手の会社は長続きしないとおもう。

「このお店には、あの子がいるから行く。」
これはすごく大事だと思う。その子しかできない何かがあるから。
均一なサービスはかえって品質を落とすことになる。
私は部下にいつも「あなたしかできない」事を見つけるように言う。
頼んだ事は結果が同等以上であれば自分なりの方法で構わないと思う。
苦労した分、あなた自身だけのものになるからと。

手順化したものをシステム化する「置き換え」では進化できない。
OJTや伝承、人から人へと継いでいくものはとても大切だ。
受け継がれると同じものにはならないが、受け継いだその人自身が
先代の想いを汲んで、その人なりの個性が加わり更に光るものになる。

その時代に喜ばれるものは人から人に伝わったもの。
京都を見るとそれが見事に成立していることが判る。
新しいお店も、実は何十代続いている伝統をうまく取り入れて
融合させている。何百年続きながら変化をしているものは面白い。
また、何百年経っても変わらず新鮮に感じるものも多くある。


まだ人が心や思いを無くすのは早すぎる。この先、芸術性が高いものは
人工知能にジャッジはされても、生み出す事は負けないといわれている。
(特異点を越えても、芸術分野は人の役割として残ると言われている位だ)

今の世の中、なくしてはいけないものを真っ先に捨てているように
思えてならない。楽なほうに流されず大事なものに気づいて欲しい。