このブログのテーマそのものを少し考えていきたいと思います。
まず、ネットで拾える辞書的内容から・・
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▼特異点
ある基準 (regulation) の下、その基準が適用できない (singularな) 点。
したがって、特異点は基準があって初めて認識され、「○○に於ける特異点」
「○に関する特異点」という呼ばれ方をする。
特異点という言葉は、数学と物理学の両方で用いられる。

▼技術的特異点
技術的特異点(Technological Singularity)とは、未来研究において、
正確かつ信頼できる、人類の技術開発の歴史から推測され得る未来モデルの
限界点を指す。
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この概念は、現在googleに所属の「レイ・カーツワイル」が提唱したもの。
特異点の後では科学技術の進歩を支配するのは人類ではなく、強い人工知能や
ポストヒューマンであり、従ってこれまでの人類の傾向に基づいた人類技術の
進歩予測は通用しなくなると考えられています。

*この人の話は、最初はオカルト扱いでしたが、今はこの分野の第一人者と
なっています。

このことについて、過去1800年代中ごろから最近までに様々なジャンルの
人が研究や著書、映画の映像を通じて予測を立てていますが、人類を超える
知性を創造する方法は主に2つ。人間の脳の知能増幅と人工知能に分類される。

方法は様々で、バイオテクノロジー、向知性薬、AIアシスタントや、
脳とコンピュータを直結するインターフェイス(ブレインマシン・インタ
フェース)、精神転送などなど・・。

これらをまとめてレイ・カーツワイルは、技術的進歩は指数関数的成長パターン
に従っていると結論付け、特異点が迫っているという説の根拠としている。
これを「収穫加速の法則」(The Law of Accelerating Returns)と呼びます。

集積回路が指数関数的に細密化してきているというムーアの法則を一般化し
集積回路が生まれる遥か以前の技術も同じ法則にしたがっているそう。

ちなみに・・「収穫加速の法則」では
2025年:前特異点(人間の処理能力に近い1019cpsのコンピュータができる)
    *特定分野に限る

2029年:AIの能力が1人の平均的な人間の脳の処理能力を超える

2045年:技術的特異点(人工知能が全ての分野で全人類の知性を超える)

その後:人間が関与できない状況となり、勝手に進化を続けていく
とされています。


過去からの農業革命、産業革命を経験した人類は、現在急速に発達している
情報技術の競争や進化のスピードが加速していて、人類最大で最後といわれる
「情報革命」を経験するのが2045年(2045年問題)と言われているものです。

今まで、沢山の資源や生き物を犠牲にし発展してきましたが、情報革命では
それらのものが実質必要なくなり、人間の生き方が根本的に変わります。

また”最後”の革命といわれる理由は、人類よりも発達し人間が理解不可能
な領域でどんどん進化していき、私達にはもう手が打てないところへと
いってしまう・・というということだから。

それが、良いほうへ向けて発展し、世界がフラットで食料やエネルギーが
フリーになればものの価値がなくなって仕事も必要なくなり、紙幣価値や国境も
なくなることで貧困格差や紛争も解決するかもしれません。病気もなる前に治療
が可能になり、死ぬことすらできなくなることも考えられます。生きること
そのものの価値観が覆されます。このとき私達は何に価値を見出”生きる”のか。


今年、世界でも類を見ないこの「シンギュラリティ」をテーマとして総務省が
主催で研究会を開催し、有識者による会議と報告会が行われました。

ざっくり言うと、世界で起きている技術的進歩で来るべき時に日本はどう対応
するか。戦争や支配行為などの目的で利用されないように、モラルを持った
開発を日本で行い主導権を握り平和的貢献をするほうが良いのではないか。
また、その時の未来は何が予測されるか・・といった内容を政府が「大真面目」
に検討したのです。
(スパコン開発支援を日本でも力を入れないと、今はそれを作るだけの技術は
到達済で、あとは「予算」だけだから。2番じゃ絶対にダメなんです!!)


見えないところで、今世の中は確実に進歩しています。身近なところでは
パソコンの機能向上、小型化や、スマートフォンの進化、ごく簡単な
人工知能を搭載された商品や、一部の情報をビッグデータとして収集している
程度しか垣間見る事ができません。
(これらの内容をまた個別に情報としてブログに掲載しようと思います)

今、既にアメリカでは裁判や警察で人工知能が搭載されており、人間の偏った
見方での善悪の判断ではなくなり、また、悪いこと(隠し事)もできないよう
人間の行動パターンから分析し犯罪が起こる地域を事前に示し、実際には犯罪
検挙率が5割増、犯罪も2割減り、弁護士の人員も5分の1で足りるという状況
になっているそうです。

TPPもあり本当に近いうちに日本にも導入されると思いますし、マイナンバー
のような個人データを一括管理することにより不正な口座の動きや、脱税などの
不正も暴かれる事は容易となってきていますね^^
(これも、大量の情報を短時間で処理できるようになっている証拠。)

私は、この加速のスピードはどんどん増していると実感していますので
技術的特異点を迎える時期はもっと早まるかもしれないと考えています。

何かが手に入る時は、同じだけの何かを失う。これだけは覆せません。

沢山の資源をなくし物を手に入れてきた以上に、想像を超える何かができるとき
私達には予測のつかない「何か」をなくしてしまう。それは人間そのものかも
しれないし、人間の「心」なのかもしれない・・。今はまだ未知数のお話^^