今日は58年前にマーシャル諸島ビキニ環礁で米軍による水爆実験「キャッスル作戦」が実施された日です
この時、静岡県焼津漁港のマグロ漁船「第五福竜丸」が放射性物質を含んだ塵、いわゆる「死の灰」を浴びて被曝した事で知られています
1954年3月1日のいわゆる「ブラボー実験」 画像は全てWikiより
この実験に先立つ8年前の1946年7月にも同地で2度に渡って原爆実験「クロスロード作戦」が行われており、旧日本海軍から接収された戦艦「長門」や旧独海軍の重巡「プリンツ・オイゲン」、米海軍の旧式戦艦「ネバダ」「ニューヨーク」空母「サラトガ」など計71隻が標的艦として使用されました(この間同地では計23回、マーシャル諸島全体では67回に渡って核実験が繰り返されました)
1946年7月1日の実験「エイブル」の爆発(高度158mでの空中爆発)
1946年7月25日の実験「ベーカー」の爆発(水深27mでの水中爆発)
最初のエイブルは空中爆発だったため放射能の影響も一時的だったそうですが、破壊力も限定的で標的に使われた大型艦の殆どは健在で、沈んだのは数隻の小型艦のみでした
2度目のベーカーは水中での爆発あり、標的艦群の中央で炸裂したことで壊滅的な打撃を与える事になりました
さらに200万tに達する海水や海底の土砂が放射線に汚染されて飛散、現地の住民や作戦に参加した米海軍将兵が被曝する事になってしまいました
エイブルとベーカーの2枚の画像は縮尺がやや異なりますが、木々の位置から同位置で撮られた物だという事が分かります
2つとも同じ原爆(広島型の約2倍、長崎型の約1.5倍に相当)が使われたにも拘らず、爆発させた場所によって威力に大きな違いが生じていることが分かりますが、1枚目の水爆は広島型の1000倍の威力であり文字通り桁外れの爆発です(ちなみにチェルノブイリの事故で放出された放射性物質はセシウム137[半減期30年]で広島型の500発分、つまり1枚目の画像である水爆の0.5発分にも相当します)
現在ビキニ環礁は永住不適格地域とされかつての住民は移住させられたそうですが、観光で訪れる短期滞在なら問題ないとされています(永住の場合現地の海産物を永続的に摂取することになり、体内被曝を招く怖れが高いという事です)
2008年の調査ではビキニ環礁のサンゴは80%まで回復しているとされ、沈没した標的艦などと共にダイビングスポットとして人気を博し、2010年には世界遺産に登録されました
(;・ω・) 「ちなみに水着のビキニってこの水爆実験が由来のネーミングなんだお・・・」