気象庁によると、今年は明らかに異常気象だったと言う。
何が異常なのかと問えば、こんなに酷暑日が続くのは気象観測はじまって以来であるとか、日本を取り巻く海面温度がこんなに高かったことは記録にないとか、全て過去との比較において、あまりにもかけ離れた結果だったようだ。


 でも、確か今年の春ごろの長期予報では、この夏は冷夏であると発表されていたように思う。
なぜこんなにも予想が外れたのかというと、「エルニーニョ現象が・・・・・」とか「偏西風の蛇行が・・・・・」などと先生方が答えてくださっている。
なぜエルニーニョが、なぜ偏西風が、その原因はと問うても、誰からも答えが帰ってこない。
私たちの住んでいる地球で起こる現象は、解らないことだらけということを認識せざるを得ないし、科学者を目指す次世代にとって、格好の研究材料ではなかろうか。


 数値的に見ると、この8月の日本は1970年から2000年の平均気温に比べて平均で2℃程度高かった。
もちろん記録的な高い値を出した地点も数多くあった。
そして周辺の海面温度も、本州から南で25度、関東から南で30度を超える異常に高い値を示していたことである。
さらに、熱中症で多くの方が亡くなり、エアコンを活用しないのが原因とも言われた。


 そうした中で、この夏、私なりに温室効果ガス半減の世界を身体に教えてもらったのだと気が付いた。
直接結び付けることは危険かも知れない、許していただきたい。
IPCCやサミットで議論された2050年温室効果ガス半減の地球、すなわち、「平均気温は2℃程度の上昇に留まることで、重大な被害を回避できるだろう」とする環境を実感したと言うことである。


 確かに重大な被害から回避できるかも知れないが、日本の周辺だけでなく地球全体がこの夏の経験のようになるのである。
本当に大丈夫なのであろうか。
その原因が二酸化炭素ならば、直ちに抜本的に代えなければと思う。
化石燃料利用に始まった産業革命を封じ込め、新たな産業革命を起さねばと切に思った酷暑であった。
未来の科学者たちよ!頑張ってくれ!




サイエンスライター 高岡章喜
この記事は2010/9/21の電気新聞に掲載されたものです