異常気象とも言われるほどの大型台風が来襲したり、ガソリンの値段が急上昇したりすると、日ごろセレブな生活をしている人でも、社会の動きに無関心な人でも、ふとエネルギーセキュリィティーや地球温暖化のことを考えさせられる。

その一つの現れだろうか、スーパーやコンビニでのレジ袋をもらわない人の増加である。また、エコバッグもセールの福引の景品に並んでいたりする。

省エネ意識の浸透とまでは言い切れないものの、日本人だってやればできるじゃないかと思う瞬間である。


 省エネルギーというと、電力会社のテレビコマーシャルの効果で、待機電力を減らすこと、すなわちコンセントからプラグを抜いたり、スイッチつきのテーブルタップを利用する家庭が増えてきている。

また、環境家計簿が総合的な学習の時間などにも利用されたこともあり、家庭単位で利用するエネルギー量と環境への負荷が理解されてきているといえよう。


 一方、使っている機械そのものの省エネ性にも感心が集まってきている。1998年に施行されたトップランナー制度である。購入時の安さよりも、ランニングコストを含めたトータルの安さに目が行くようになり、自然のうちに、省エネ製品が買われるようになってきている。

 

一般に省エネ活動というと、自分の家で使い、そして支払う電気代、ガス代、灯油代、ガソリン代などの直接エネルギーの範囲で議論されている。しかし、エネルギー消費の約半分を占める間接エネルギー分について、意識が働きにくいのが現状である。


 間接エネルギーは、商品ができて家に届くまでに費やしたエネルギー量であり、衣食住すべての製品に関係する。「日本のエネルギー2007」によると、300グラムの本ができるのに石油換算0.55リットル、紳士ジャケットは7リットルなどと記されている。普段何気なく買っているコンビニのお弁当やペットボトルはどんな数字になるのだろうか。

あわせて二酸化炭素の排出量もわかるとありがたい。


 それぞれの商品について間接エネルギーを明らかにするためには、メーカーの製造工程のノウハウが流失してしまうかも知れないが、生活者がおおよその指標を持つことができれば、より一層、省エネや環境への意識も高まると考えられる。是非、身の回りの品々についてのお店にならぶまでの値の評価をしていただきたいものだ。

その値が商品に表示される日が来ることを望んでいる。



サイエンスライター 高岡章喜
この記事は2007/10/9電気新聞に掲載されたものです。