ニューアルバムのリリースと同時に矢継ぎ早にMVを配信しているIU。
すべてのMVのプロデュースも手掛けておりもはや総合芸術監督の様相を呈している。
つい昨日配信された最新のMV、Shh…はとても謎めいた母娘のストーリーでまだ全貌を理解できていないのだが、
楽曲としては、古き良きブルージーなロック調の作品。イントロの渋いエレピの音を聞いて、これはどこかで…と思ったのだが、
この2曲↓を足して割った感じ。
その昔大好きだったヴァネッサ・パラディの1992年の作品でIUが生まれる一年前のリリースなのだが、エレピの音色がJust as long as you areでコード進行がNatural Highだと思いいたった。
そういえば、このShhにはゲストボーカルで、最近ワールドワイドに人気沸騰のNewJeansのヘインと1999年デビューの往年の人気バンドRoller Coasterのチョ・ウォンソンが参加しているが、NewJeansの楽曲はどことなく90年代を思わせる曲調だったし、
彼女たちの歌い踊る姿、ファッションは、どことなくこれまた90年代を席巻したSpeedを思い出させた。
そして、チョ・ウォンソンのRollerCoasterはモロ90年代のサウンドで、
どことなくピチカートファイブやらBIRDやらMondoGrossoなどを思い出す。
そして、この曲は新旧の女性ボーカリストたち3人が歌唱した最後におんとし85歳のブルースシンガー、パティ・キムの重厚なナレーションが入るという、4世代に渡る女たちのゴージャスな競演がなされ、MVでの歳を取らない母とその娘という設定からして時を超えた女性性のリレーみたいなものがイメージされてるんではと思ったりする。
さらにいえばヴァネッサパラディの楽曲は当時70年代ロックへのオマージュたっぷりの音楽を作っていたレニークラビッツの手になるものだし、
Speedにしても、ピチカートファイブやらMONDO GROSSOにしても、70年代のファンクやジャズの影響が窺えるわけで、よき音楽の魂というのは時代を超えて受け継がれるものなのだろう。