キム・ゴウンをはじめて見たのは「トッケビ」というレジェンド級ドラマで、
「愛の不時着」で韓ドラにハマって3つ目くらいに見たドラマなんだけど、主演女優のキム・ゴウンのすさまじい演技に衝撃を受けたわけである。
彼女はとても東洋的でいわゆる美人顔とは違う顔立ちをしていて、最初のうちは、この子がヒロイン?って感じていたのが話が進むうちにどんどん可愛く美しくなっていくんだけど、これは相手役であるトッケビの視点から見える変化を演じていたわけでこの入神の演技に心を掴まれてしまった。
それ以降も彼女の新作がリリースするたびにだいたい見るようにしているが、トッケビの次に見たのは同作と同じキム・ウンスク脚本の「ザ・キング」。
スター俳優であるイ・ミンホと共演した本作は、韓国が帝政国家である別の世界線から移動してきたミンホ演じる皇帝とゴウン演じる女刑事とのラブストーリーなのだが、ミンホの少し天然の入ったこれぞ帝王という臨場感とゴウンの庶民的な直情径行のケミが絶妙で、皇帝がプデチゲを食べたがるシーンを見て自分もプデチゲを出す店を探して食べに行ったりもした。
続いては、「シスターズ」。
ひょんなことからころがりこんだ裏金と思しき大金をめぐる若き姉妹と悪いお金持ちとの息詰まる駆け引きを描いたサスペンスドラマなのだが、ゴウンは大金を拾う長女を演じており、それぞれに個性的豊かな三姉妹のキャラクターの活躍に心が躍る。
映画での活躍もめざましく、昨年ではオカルトサスペンス「破墓」。
ここでは、家督を継ぐ者が次々に謎の死を遂げる一族にかけられた呪いを祓う巫女の役を演じており、エキゾチックな風貌がマッチしているだけでなく儀式シーンで披露される身体能力の高さもみもの。
身体能力といえば、New jeansの振り付けをやすやすと踊っている姿も。
しかしなんといっても度肝を抜かれたのは歌唱力。
うつむいてはにかみがちにウィスパーボイスで歌い始めるやいなやもう鳥肌もの。
そんなゴウン氏の最新作が「ウンジョンとサンヨン」。
幼なじみの2人の女性の長年にわたる愛憎相半ばする関係を描いているのだが、繊細な心の揺らぎを演ずるゴウン氏の緻密な表情管理にノックアウトされてしまう。
このドラマの2人の関係がIUのShh…を連想させるとFCのSNSで投稿した人がいて、
それに対してIU自身からこのドラマを見ていたというコメントがあり、さすがと思ったのだが、
このドラマの4話のワンシーンで、IUがカバーした「赤い運動靴」の原曲が流れていて、
作品世界同士の共鳴に感動もひとしお。