雨がシトシトと降っていると
世間からの隔絶感が増すのか
ココロの中が少しだけ落ち着いている
何かしら大切なものが
雨水に流されていくわけではないらしい
例えばそれは日常
忘れられない手紙
ベルの壊れた電話
赤く塗りたい自転車
空っぽの財布
税金の督促状
アニメの歌の中に
乾いた大地は心をやせさせる
というコトバがあったけど
それは都会だとなおさらなのかも知れない
いや、ここは都会とは呼びがたい
都会に近い街だ
山は見えるけれども
気軽に遊びにいけないのはアシがないから
川は流れているけれども
水はいつだって人に入ってもらいたくない然と
この目には見ゆる
人はどうだ
どっかから来たアパートのひとり暮らしの男で
近所の人たちと「仲良し」な普通の人間をボクは知らない。
雨はシトシトと降って
街を湿らせている
植木鉢の花も少しは元気になるだろうか
部屋の中に香を焚き続けて
せめてココロの平安を保とうとする
そういえば近ごろ部屋に帰ったときに
オフクロの田舎の家の匂いがする
懐かしいような
イヤなような
消してしまいたいような
残しておきたいような
ただのかんちがいかも
雨がシトシト続いて
ラジオからは懐かしい歌が流れて
くらやみ祭り行くの忘れていた
見に行くバス代もケチっただけだ
しかたがないので
地域のテレビやってるのを見ていたら
人のセリフに
いちいち文句を思っているボクが見ている
イヤになる
雨とラジオに戻れば
ひとりに戻った
ひとつ確かなモノを作りたいと思った
でも出来上がるまで
持続できない
ウツロなカエルは眠くもないのに
黙って目をつむろう