同居も17年目になりますと
だいたい鬼姑の習性など
わかってまいります。
なので、
どんな場面においても
ほんとはどうすればいいのか
なんてことは
手に取るようにわかっているのです。
わかっているのだから
鬼姑の満足する方向に
事を運べばいいだけなのですが
どうしてもそうしたくない時が
多々芽生えてしまうのが
嫁の性
ってものなのでしょうかねぇ。
ようするに、
私の気持ちの問題だけなのです。
もっと心を開いて、
いろんな話をしてあげればいい。
もっと優しい言葉を掛けてあげたらいい。
もっと言う通りに動いてあげたらいい。
言われる前に察知して、
自分からあれこれ小姑につくしてやればいい。
常日頃から感謝の気持ちを伝えて、
もっともっと大事にしてあげたらいい。
これらができたら、
鬼姑が望む完璧な嫁なのだ。
嫁いですぐは、
かなりがんばってそうしていた。
どんなつまらない話も真剣に聞き、
どんなつまらない用事も黙々とこなし、
どんな言いつけも快く引き受け
どんなことも話していた。
でも、鬼姑には
そんなことは
たいしたことではなかったのだ。
年月が経ち、
身を粉にしてつくしてきたつもりでも、
鬼姑にしたら、
当たり前どころか
不満だらけだったのだ。
どうしてそれをひしひしと
感じるようになったのかと言うと
それは小姑、
そう、義妹の存在
があったからなのだ。
全く同じことをしても
娘がやることはすごいことで、
嫁がやることは大したことにならない。
嫁にいくなら娘がいない姑にするべきだ。
何度となくそう思ったりした。
私が、
がんばる自分を解雇
したのには理由がある。
それはあるきっかけがもたらした結果なのだか、
私はそれ以降、
いっさい自分から動くことをやめてしまった。
それまでは、
まずは旦那のため、
そして、何より子供のため、
とがんばってきたつもりだった。
一番最後が自分のためだった。
そんな私を壊したきっかけは
義妹の不妊治療の果ての妊娠だったのでした。