屋上の扉を開けると同じバスケ部の愛佳ともう1人座っているのが見えた。
「あ、」
「ん!」
それは意外な人だった。
「え?2人とも知り合いだったの?」
そこにいたのはさっきまで話していたねるだった。
「知り合いっていうか、まぁ、さっき仲良くなった」
「へぇー。てちの口から仲良いって言葉聞けるなんてね。ねるすごいね」
自分のことだけど愛佳がこう言うのも無理ない。
「そうなの?」
「そうそう。
てちね全然心開かないのよ。
私ら今こんな普通に話してるけどこうなるまでに結構時間かかったから。ね、理佐」
「ほんとに。
最初の方は無視なんてしょっちゅうされてたし。
由依もすごいと思ったけどねるはやばいね」
ねるが嬉しそうにこっちを見てきた。
私は何となく目をそらす。
「もういいから本題入ろ。時間なくなる」
「てちなんか照れてる〜」
私は由依を睨む。
「おー怖。でもそんな態度とっていいと思ってるの?さっきの授業誰のおかげでサボにならなかったのかな?」
「怖いのはどっちだよ。由依の方が怖いわ」
まぁまぁと理佐が仲裁に入ってきた。
「そっか4限目ねるいなかったもんね。
もしかしてもう話した?」
「話してないよ。てちって人が友梨奈だって知らなかったし」
「そっか。改めて聞くけどてちに話してもいい?」
「うん。友梨奈なら大丈夫」
ねるが不安そうにこっち見てきた。
今度は目をそらさずしっかりと見つめ返す。
「じゃあ私ら先にご飯食べてるから」
由依がそう言い理佐とともに愛佳の方に行ってしまった。
私は何が何だか分からなくなった。
理佐から話があるからと屋上に来たはずなのに。
「今から話すことなんだけど、ゆいぽんと愛佳は知らないんだ」
そんな私に気づいてか、ねるが言う。
「何人かに相談して話が漏れちゃうのがやだったから。
だから話すときはちゃんと人を選んで私から話すってことになってるんだ。
まぁでも、今まで相談した人結局理佐しかいないんだけどね」
ゆいぽんと愛佳を信用してないわけじゃないとねるは付け足す。
そうなのか。でもそんな話私が聞いちゃっていいのかな...。
「友梨奈、話結構重いんだけど聞いてくれる?
あとこの話誰にも言わないで欲しいんだけど」
「うん、それは大丈夫。絶対守る」
ねるが不安そうにこちらを見てきた。
今度はしっかり目を見て答える。
この話を聞いてねるがさっき泣いていた理由が分かった。
「ねるはいいの?私で」
「うん。
4限目友梨奈と話す前まではすごく辛くて、でも1人じゃ出来なくてどうしようもなかったんだけど、友梨奈が来て話しててすごく落ち着いた。
友梨奈だったらいいのになって思ってた。
だから友梨奈がいいんだったら私は友梨奈にお願いしたい」
「うん。いいよ」
話が終わり理佐たちと合流した。
そして昼休みが終わるまでみんなでいろんな話をした。
「そろそろ戻ろっか」
由依に言われもうそんな時間なのかと気づく。
次の授業に遅れないようにちょっと早めに屋上を出る。
教室の前に着き、ねる、理佐、愛佳と別れそれぞれの教室へと入っていく。
その瞬間ねるの顔が赤くなっているのが見えた。
「由依、次の時間また上手く言っといてくれない?」
「また?」
「部活の時のかっこいい理佐の写真あげるから」
「いいよ」
さっきまで嫌そうな顔していたのが嘘みたいに由依の顔がにやけている。
「じゃ、そういうことで」
そう言い残しねるがいる隣の教室のドアから顔を出し、ねるに視線を送った。
気づいたねるはこっちに来てくれた。
「友梨奈どうしたの?」
何がどうしたのだよ。
ねるの耳元で
「辛いんでしょ?ついて来て」
ねるはびっくりしていたが大人しくついてきてくれた。
私は4限目ねると話した別棟にある空き教室に行く。
ここは授業がなければ生徒も来なく、先生も滅多に来ないため楽にしてあげるにはうってつけの場所だ。
昼休み聞いたねるの秘密、それは、
ねるは持続性性喚起症候群という病気を持っているらしい。
そのため1日に何回も性的欲求が発症する。
もちろん1人ですることによって治まる人もいるらしいがねるは無理らしい。
だから薬に頼るしかなく、でも薬の頼りすぎも良くなく辛い思いをすることが多々あるみたいだ。
「ねる」
そう呼び頬に手を当てるとピクんと体が反応する。
「ここでするの?」
「人来ないとは思うけど、ねるが嫌ならやめるけどどうする?」
我ながら意地悪な質問だと思う。
「大丈夫、優しくするから」
そう言いねるを抱き寄せる。