「失礼します」
玲香に連絡をもらった平手ちゃんは案外早く来た。
「ごめんね、平手ちゃんも忙しいのに。
でも直接伝えたかったからさ」
「いえ、全然大丈夫です。私の方こそお時間
取らせてしまいすいません」
「気にしないで大丈夫だよ!」
「ありがとうございます」
相変わらず礼儀正しい子だ。
「先に聞いていいかな、欅ちゃんたちはどう
なの?」
「今は志田愛佳と原田葵の返事待ちなんです
けど、その2人以外のみんなは賛成してくれ
ました」
「そっか、だよね」
ん?平手ちゃんのスマホ、電話かかってきてるよねあれ。
「平手ちゃん、スマホ、電話かかってきて
ない?」
「あ、ほんとだ」
「私たちは気にしないででていいよ?」
さすがまいやん、こっちが言ってあげないとでずらいもんね。
「ありがとうございます」
「もしもし、うん、こっちこそごめん。
私は大丈夫だから」
「ななよく見えたね」
いつの間にか隣には飛鳥がいた。
「ちょうどここの角度からスマホのディスプ
レイが見えたから」
「そっか」
「うん」
それきり会話は止まってしまった。
「ほんと!?うん。あとは愛佳だけかな。
ううん、ありがとね。葵も頑張れ。
うん、またね」
「すいません。原田葵からの電話で、葵も賛
成してくれました」
「そっか。
私たちは賛成でもあるし反対でもあるか
な」
「決まってるみたいだね。じゃあいくよ?
平手ちゃんの意見に賛成な人」
全員手を挙げる。
「反対な人」
また全員が手を挙げる。
「みんな考えてること同じみたいだね」
「うん。私たち乃木坂にいる側からしたら
賛成。またみんなと踊りたいし一緒に紅白
に出たい」
「だけど卒業した側からすれば思うことは
いっぱいあると思う」
まいやんと美彩が言ったことはななも思ったこと。
「私もそう思うよ。でもさ」
飛鳥?
「でもさ、私も平手ちゃんと同じでわがまま
だって分かってるけど、またみんなと踊り
たいって気持ちの方が大きい。
みんなと、、、奈々未とまたステージに立
ちたい!」
飛鳥の目には涙か溜まっていた。今にも溢れ出そうだ。
「そんな簡単なことじゃないんだよ?」
まいやんがなだめるように言う。
「分かってるよ!分かってるけど、、」
飛鳥。。。
しばらく沈黙が続く。
「分かった。じゃあ後は、平手ちゃんとみん
なに任せよ?」
「玲香どういうこと?」
「私たちは一緒に踊りたい、それはみんか
思ってるよね?
だから後は、卒業したメンバーに任せる
ってこと。みんなが出たくないって考えた
ならそれまでだし、出たいと思ってくれた
ら一緒に出れるし。どう?」
「ななはいいと思う」
「うん、そうだね。そうしよう」
まいやん、、
「飛鳥もそれでいい?」
「うん」
「じゃあ決定だね」
「ってことだから、私たちも賛成ってことで
お願いします」
「分かりました」
「でも、厳しいようなことを言うけど私はあ
きらめた方がいいって思う」
「ちょっと玲香」
「白石さん大丈夫です。
桜井さん分かってます。自分勝手なことだ
し皆さんの気持ちを全く考えていないう
え、無謀なことぐらい。秋元さんにも言わ
れましたし。
それでもあきらめたくないんです。ぴっぴ
とずーみんとまたステージに立ちたいんで
す。ぴっぴとは去年の紅白以来、ずーみん
とは去年の全国ツアー以来ちゃんとしたス
テージに立ってないんです。
いくら無謀なことでも可能性があるのなら
それにしがみつきたいんです」
平手ちゃん、そこまで思ってたなんて。
「ふふっ」
「玲香さん?」
「ごめんね笑
ちょっと確認してみたかっただけなんだ。
先輩に言われてあきらめるようじゃダメだ
しね。
大丈夫、私たちもちゃんと賛成だよ」
「っ!ありがとうございます」
「じゃあみんなには私たちの方から伝えと
くから」
「そんな、連絡先さえ教えていただければ私
やります」
「いいから、先輩に任せなさい」
「ほんとにありがとうございます」
平手ちゃんは深く深く頭を下げる。
「頭上げて、それよりさこの後時間ある?」
「え?」
「この後さ、行けるメンバーだけでご飯行く
んだけど、欅ちゃんたちもどう?」
「いいんですか?」
「もちろん」
「私は行けます。他はだれがいいですか
ね?」
「そーだな、だれでもいいよ!
平手ちゃん含めて5、6人くらい」
「分かりました。声かけてみます」
「じゃあ時間とお店決まったらLINE入れる
ね」
「分かりました。
今日はほんとにありがとうございました」
「なぁ玲香、そんな約束してたん?」
「ううん、してない」
「ああやって終わらせた方が平手ちゃん気負
いしないでしょ」
「さすがキャプテンだね」
「そんなことないよ。
欅ちゃんたちとご飯行きたい人!」
「「「「はい!」」」」