「どうして?」

「佑唯のこと迎えに行ってそのまま佑唯の家行こう
 と思ってるから」

「だからどうして?」


理佐にそう聞かれ言葉につまる。


「てちがずーみんと一緒にずーみんの家に行くか
 らって、私たちと別々で帰る意味なくない?」

「ずーみんのこと迎えいくなら私たちも一緒につい
 て行くよ」

「てちがずーみんのことそうやってしてあげてる
 ように、私たちだってずーみんのこと心配だから」

「それに、てちそのままずーみんの家に行くって
 言ったけど着替えとかどーすんのさ」


4人に正論を言われてしまい言葉が見つからない。


「だから、ね?一緒に帰ろ!」

「うん、ごめんね」

「なんでてちが謝ってんの笑」

「いや、なんとなく」

「ふふっ、じゃあみんなでずーみん迎え行こ!」

「うん」



1人で歩くはずだった真っ暗な廊下も、みんなでバカ話しながら通ればあっという間だった。


ガラガラガラ

「失礼します」

「お、来たね」

「佑唯どうですか?」

「薬で微熱くらいまでには下げてるけど、そろそろ
 効きめ切れるからまた上がると思うよ」

「そうですか」


カーテンの中にいる佑唯を見れば少しつらそうだった。もしかしたらもう熱が上がり始めてるのかもしれない。


「けっこう辛そうだね」

「うん、どーやって連れて帰ろ、、、」

「まともに歩けるとも思えないよね」

「先生車ないの?」

「ごめんね、今修理出してるんところなの。
 車で送って行ければ一番よかったんだけどね」

「ん、、、あれ、みんな?」

「ずーみん!」

「ねる、病人に急に抱きつかないの。危ないよ」


ねるは一緒にいたのに体調悪いことに全然気づけなかったからすごく心配してたらしい。


「理佐はねるのお母さんか!」

「愛佳はうるさい」

「ごめんなさい」

「あははっゴホッゴホッ、、」

「ずーみん!大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ」

「もう、ねると理佐と愛佳のせいで、ずーみんむせ
 ちゃったじゃん」

「ゆいぽん、大丈夫だよ」


3人とも私のせいじゃないしとか言って反省してないけど、ずーみんがそう言えばゆいぽんは渋々と言葉を飲み込んだ。


「それよりさ、ずーみん思ったより元気そうだけど
 どーすんの?」

「一応一緒にいるよ。先生もこれから熱上がるって
 言ってたし」


さっき寝たときのことを考えると無理してるようにしか見えないしね。


「そっか」

「え?どーゆこと」

「佑唯の親お仕事の関係でいないんでしょ?
 だから私が佑唯の家に泊まって看病しようと思っ
 たんだけどだめ?」

「うん、だめ」

「言うと思った。でも行くから」

「ほんとに大丈夫だから」

「具合悪いときくらいは甘えなよ。それとも佑唯の
 親に連絡する?」

「それはだめ!


 分かった。看病してください。だから親には連絡
 しなくていいから」

「うん」

「じゃあ友梨奈ちゃんよろしくね?」

「はい」

「これ、少しでもいいから何か食べてから飲んで。
 じゃないと副作用ない人はないんだけど、稀にい
 るから気をつけて」

「分かりました」



結局、薬が完全に切れて元気なフリも出来なくなった佑唯は歩くこともままならず、おんぶして帰ることになった。

話すのもつらそうだったからこばの案内の元、佑唯の家に着いた。


「じゃあ、みんなありがとね」

「いーえ!ずーみんお大事にね」

「なんかあったら連絡して?」

「うん」

「てちちゃんと看病してね」

「はいはい」

「じゃーね」

「ん」


家に入りうっすらと意識のある佑唯に自分の部屋を聞くと、2階のつきあたりの部屋らしくそこ部屋まで運びベッドに寝かせる。


「佑唯?」


私の問いかけに返事はなかった。

うん、この間に色々とやる事やっちゃお。

私はまず1回に降り冷蔵庫を覗かせてもらった。思ったより食材が入っていて少し驚いた。
お粥を作る食材はあるのであとは飲み物やゼリー熱冷まシートなど必要なものを買いに行く。

帰ってきて佑唯の部屋を覗くとまだ寝ていた。起こさないように熱さまシートをおでこに貼った。
今までと変わらずぐっすり寝ているようだが、さっきまでと違うところといえば息が荒くなっているというところだ。

早くお粥を作って薬を飲ませなきゃと思い、急いで作り佑唯の元へと持っていく。もちろん薬や体温計などとともに。

「佑唯?」

この部屋に来たときと同様に声をかけるが返事は帰ってこない。無理矢理起こすのは気が引けるが薬を飲ませたいので揺らしながら起こす。


「、、、、、友梨奈、、」

「起こしちゃってごめん。熱計れる?」

「うん」


多分体見られたくないだろうから自分でやってもらう。


「はい」

「ん、高いね」


表示されてた数字は38.9だった。


「薬飲まなきゃいけないんだけどその前に少しだけ
 ご飯食べて欲しいんだけど食べれる?」

「じゃあ、ちょっとなら、、」

「ありがと。口に合わなかったらごめんね?」


ちょっとと言っていたが私が作ったものだと分かったらもう少しならと合計6口も食べてくれた。
お粥を食べた後薬を飲ませる。


「寝ちゃいな」

「ううん、結構寝たから今は眠くない」

「そっか」

「うん」

「辛くない?」

「うん。薬が効いてきたのかも」

「ねぇ佑唯、保健室でごめん」

「ん?」

「親に電話するとか言っちゃって。親に電話する
 って言えば絶対看病させて貰えるって分かってて
 言ったんだ」

「.......」

「とりあえず今日は帰る。もしなんかあったときは
 この番号に連絡して?これ私のだから。
 じゃあ、お大事にね」


思ったよりも薬の効き目が良すぎるから多分もう私がいなくても大丈夫だろう。
強引に来ちゃったし私がいない方がいいしね。