襲われた少女は裸で倒れていた。とても痩せていて腕や脚は直ぐに折れてしまいそうだった。
救急車を直ぐに呼ぼうと思ったが少女が「やめて」と言ったので家へ連れて帰ることにした。

理)お洋服はある?

平)ない

丁度持っていた大きめのブランケットに少女を包み込み抱っこして帰った。

理)よいしょっと。大丈夫?名前は?

平)平手友梨奈

理)年齢は?

平)14

理)お家は?

平)家出した。

友梨奈はどこか寂しそうだった。

理)とりあえずお風呂入ろっか?

平)うん

理)1人で大丈夫?

平)一緒にいて。

1人が寂しいのだろう。一緒にお風呂へ入ることにした。

友梨奈の体は痣だらけ。骨骨しかった。髪の毛も栄養が足りてなく細く薄かった。

理)痛くない?

平)うん。

お風呂からあがり、友梨奈を体重計へのせた。

ピッ
23㌔

理)ん?!23?!!
平手さん、身長何センチ?

平)160

あきらかに痩せすぎだ。貸した服もダボダボだった。

理)ワンピースにするね。

ワンピースを着せ、リビングへ向かった。ソファーに座り友梨奈に質問をしてみる。

理)平手さ、「友梨奈でいいよ」
友梨奈は、どうして家出したの?

平)お母さんが病気で2年前に亡くなったの。お父さんと2人で暮らしていたけど、私の体が大人になるにつれて毎晩抱かれて、抵抗すると殴られる。

理)警察とかには言わなかった?

平)家から出られなかったの。家の鍵は全部閉められていて部屋から出られないようにされていた。

理)電話とかは?

平)通信機器は全部線を切られていた。けど、お父さんが買い物に行ってくるって行ってしばらく家にいなかったの。その隙を見て窓を割って逃げた。

理)どこから来たかきいてもいい?

平)愛知

友梨奈は東京から愛知まで歩いて来ていたのだ。

平)家を出たのはいいけど、何度も襲われた。けどお金もらえるし慣れてたからなんともなかった。

理)ご飯とかは食べてた?

平)食べてない。大人の体になるとみんな喜ぶ。だから痩せて子供の体だと襲われなくなる。

友梨奈は全てを話すと泣いていた。

理)辛かったね。おいで。

友梨奈を抱きしめる。痩せた体は今にも折れそうで、震えていた。

平)お姉さん、助けてくれてありがとう。

理)渡邉理佐。

平)え?

理)私の名前。理佐ってよんで。

平)理佐。ありがとう。

ふにゃっと笑った友梨奈の笑顔はとても可愛かった。

理)よし、寝ようか。歩ける?

平)うん。

友梨奈は立ち上がったが直ぐに倒れそうになった。

理)おっと、運ぶね。

友梨奈をベットまで運ぶと弱々しくありがとうと言って眠りについた。

数時間後・・・

平)はぁ、はぁ、はぁ、

理)友梨奈?

平)はぁ、はぁ、はぁ、やめて!!こっち来ないで!!!

友梨奈は過呼吸をおこし耳を塞いで暴れていた。

理)友梨奈!!大丈夫。大丈夫。私がいるよ?

平)はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、

理)吸って、吐いて、吸って、吐いて
私に呼吸をあわせて。

平)すー、はー、はぁ、はぁ、はぁ、

しばらくして落ち着いた友梨奈を抱きしめた。

理)大丈夫。大丈夫。大丈夫。怖かったね。

平)はぁ、はぁ、・・・

理)どうしたの?

平)お、お父さんが・・・追いかけて・・・

泣きながら友梨奈は話した。

理)そっかそっか。大丈夫。お父さんは今いないよ。大丈夫だよ。

まだ呼吸が乱れている友梨奈の背中をとんとんする。
落ち着いた友梨奈は意識を手放した。手をギュッと繋いできたので抱きしめて寝た。