ものごと、三日見ぬ間の桜かな・・・・・命の噴火を思わせる満開の花の咲き方も見事であるが、その散り方もまた潔い・・・そして、咲けば咲くほどひっそりとした静謐に包まれるどこはかと物悲しい、そんな桜にまつわる不思議なおはなしなど・・・
若狭小浜の領主・国枝権太夫の邸で能を舞っていた世阿弥はふりしきる桜から霊気をおぼえ、禁呪の法である""反閇(へんばい)""を踏んだ。領主の奥方が桜谷からこの枝垂れ桜を植え替えて以来、奇病に伏しているという。桜谷を訪れた世阿弥が知った驚くべき事実とは・・・女と見紛うばかりの美貌を持つ青年能楽師・世阿弥が、猿楽に受け継がれた呪術を用いて妖魔を払い、霊妙なる舞で報われぬ魂を鎮めるのですた。
反閇(へんばい)とは、別名禹歩(うほ)とも呼ばれ奈良時代の退魔師である呪禁師(じゅごんし)が使った悪鬼や悪霊を払う禁呪の法のひとつ。道教を端とする歩行呪術で、北斗七星の形や八卦の意味を込めて、継ぎ足で歩行することによって、簡易的な結界を貼り、魔物から身を守る。対象は術者と術者が歩行した跡で、魔物は術者に危害を加えることや、その歩行の跡を跨いで進入することが出来なくなる。
禹歩は、1ターンで5メートル(10分なら300m)ほど移動でき結界を貼れる。結界の効果は歩き出した時点からで、効果時間もその時点から1時間。もしくは結界が破られるまでである。この術の歩行中は術の集中状態として扱う。歩行が終わった後は、術者に対する術の効果は切れるが、効果時間の間は歩行した跡の結界の効果は継続する・・・といったもので、呪禁師はほかにも掌決、手印、営目(えいじ)、存思など数々の禁呪の法で邪気を排したのでございます。
現代の科学社会のおいては、「ほんまかいな?」とツッコミ満載のところではございますが、中世以前の社会には、山伏をはじめ加持祈祷により邪を払う密教僧、式神を飛ばして魑魅魍魎を退治する陰陽師などのプロの呪術師たちがおおいに活躍していますた。いや、そればかりではありません。歌人は和歌を詠むことによって荒ぶる地霊を鎮め、相撲人は四股を踏んで邪気を払い、芸人は歌舞音曲により怨霊を鎮めるという隠れた役割を持っていたのですた。
こっち↑も不思議な最終回だた、ドラマ高校教師のひとコマ・・・さくら・・・桜井幸子・・桜つながりjk
私事で恐縮ですが・・・滅多に本など読まない(平均すると年1冊くらいかそれ以下・・・小説?まったく興味ありませんorz)ワタスが、5年ほど前に暇のついでに、ついつい惹き込まれるように短編を幾つか読んだのが火坂雅志さんのオカルト時代小説なのですた。爾来、現世の権益と強く結びついた宗教のありようについては比叡山焼き討ちを肯定するものの、人智を超えた神や妖魔の意志までも否定することは憚られるのでございます。




