
大学に入学し、友人の影響でヤングジャンプとビッグコミックスピリッツを読み始めた。
貧乏学生だったので、マンガ雑誌は買わず、その友人が買ったマンガをしばしば読ませてもらっていた。
名作マンガというとピンとこないが、何度でも読み返したいマンガと言えば、スピリッツに連載されていた「めぞん一刻」。
単行本で全15巻。数年前に6冊にまとまったものをコンビニで見かけ思わず買ってしまったっけ。
浪人生で一刻館というボロアパートに住む五代裕作。
結婚してすぐにダンナを亡くし、亡き夫に操を立てている一刻館の管理人・音無響子。
そしてこの二人を囲む一刻館の住人やその他の面々との様々なエピソードがコミカルに絶妙なタッチで描かれている。綺麗で美しいけどヤキモチやきで意外と鈍い響子さん。
五代のことを、単なるアパートの住人・世話の焼ける弟みたいな存在・だらしないけど人のよいちょっと気になる人、と移り変わっていく。
彼女が五代のことをどう思っているのかな?という視点で読むと、いつの間にか作品とシンクロし、引き込まれていく。
個性の強い登場人物たちが織りなすストーリーが面白く全く飽きない。
マンガの主張と読み手の思いのバランスが良いのかなぁと思う。
クセが強いのに嫌味じゃない。押し付けがないのだろう。
愛すべきキャラクターが多いのも何度でも読み返したい理由かもしれない。