このブログでも何度か取り上げているフコイダン。
初めてフコイダンという名前を聞いたとき、「奇妙な名前だな」と思った。
フコイダンではなく、フコダインではないかな?というのを憶えている。
フコイダンは、フコースなどの糖が複雑に組み合わさった多糖体の総称だ。
フコースだけで構成されるフコイダン(F-フコイダン)やグルクロン酸、マンノース、フコースから構成されるU-フコイダン、フコースとグルコースから構成されるG-フコイダンなどがある。
それぞれ少しずつ働きが異なると言われている。
がん細胞を直接叩くと言われているのはU-フコイダンの作用だ。
正常細胞は役目を終えると自然に死を迎える。死と言っても細胞のことである。これを細胞のアポトーシス(自然死)と言う。
例えば、おたまじゃくしのしっぽ。かえるになる頃にはしっぽはなくなっている。これもアポトーシスによるものである。
がん細胞にはアポトーシスがなく、増殖し続けて正常細胞を蝕んでいく。
U-フコイダンはがん細胞にアポトーシスを起こすスイッチを入れるのだと言う。
フコイダンには免疫力を増強する作用があることが知られている。免疫力とは自然治癒力・再生力ということである。
小腸のパイエル板と呼ばれるリンパ組織に働き免疫力を活性化させるという説があり、F-フコイダンによって肝細胞増殖因子(HGF)というタンパク質の生産が活性化されるという研究結果がある。
HGFは肝臓の再生力に寄与しているが、近年の研究において肝臓以外に腎臓・肺・血管・皮膚など多くの器官や組織の再生因子であることが明らかになってきている。
例えば、腎不全は腎臓の糸球体組織の機能が低下した状態だが、この組織の再生が促進されれば腎不全に対して有効であろう。
病気になると病院にかかり薬を飲んで安静にする(病気にもよるだろうが)方は多いだろう。
薬は病気そのものを治すのではなく症状を抑えることがほとんどである。病気を治すのは免疫力なのだ。
だから、安静にして栄養を補給する。薬は活性酸素を作り出し免疫力を下げる方に働く。
であれば、病気を治すには免疫力を上げるということになる。