
もう25年以上も前になる。高校を卒業して上京し独り暮らしを始めた。
ビッグコミックスピリッツ(当時は隔週)で「めぞん一刻」の連載が始まって間もなくの頃だ。
池袋の立教大の裏にある二階建てのアパートで、6畳の部屋とキッチン・トイレで月3万1千円。
今なら考えられないだろうが、当時は風呂付の部屋は贅沢、それこそブルジョワという感覚だった。
洗濯物を入れた紙袋と風呂道具を持って、コインランドリーに寄ってから銭湯に行ったものだ。
大学に入ったばかりの頃は、奨学金と仕送り合わせて7万円弱が1ヶ月の生活費。家賃込みだ。
1日1千円以内を目安にしていたのを憶えている。
昼飯は生協の食堂で200円の定食か270円のコープ。330円のランチが贅沢に思えた。
当然、外食は贅沢の極みで自炊がメインであった。
大学に入って最初に憶えた遊びが麻雀だった。
クラスメートで気の合う仲間が自然と集まり、ほとんど毎週金曜日の夜から徹夜マージャン。
場が立つのはたいてい愛すべき我がボロアパート。
後から聞いた話だが、私が適当な男料理を振舞っていたのが気に入られていたようだ。
人気があったのが中華丼。
田舎から持って来た鉄製の中華鍋を使って、エビ・イカ・人参・筍・白菜・木耳・絹さやなど自分の好きな材料を適当に使う。
肉があまり好きでなかったので豚肉などは使わなかった。
適当に炒めて、適当に味付けをしてトロミを付けて丼飯にかければ出来上がりなので楽だった。
なぜかこの適当で自分勝手な中華丼が良かったらしい。
当時のメンツとは今でも年に1,2回同期会を開催する。
土曜の夜7時くらいから新宿あたりの落ち着いて酒が飲める店で1次会をやる。
その前に0次会と称して高田馬場あたりの雀荘で闘牌するのだが、なにせ頭が固くなっている上に年に1回くらいしか麻雀をしないものだから皆スローモー。半荘打つのに2時間かかる。
しかし、打っている間は皆25年前と変わらない。
面白いものだが、25年の間に皆色々あっただろうが、麻雀の打ち方は変わらない。見事なまでに性格が出る。本当に面白い。