電磁波と一口に言っても様々なものがあります。
電磁波が持っているエネルギーの強さで、電磁波は種類分けされていますが、一般的に核分裂や高エネルギーで原子を励振する事で放出される放射線は電離放射線と呼ばれています。
これに対して比較的エネルギーが低い電磁波は非電離放射線と呼ばれ、防護に関しても別の組織で考えられています。
放射線の強さと影響度から非電離放射線の研究は比較的に遅れていて、電磁波が人体に与える影響や防護に対する指針はまだ明確に確立されていないのが実情です。
ところが、携帯電話やパソコン、車のナビや様々な電化製品の普及によって、私たちの身の回りに電磁波が溢れていて、健康に害を及ぼすようになっています。
最新の研究で問題になっているのが、最もエネルギーが低い超低周波です。
電磁波のエネルギーと透過性とは逆の関係があり、エネルギーの低い超低周波は非常に透過性が高く防護エプロンなどでカットされません。
ところが、エネルギーが低いから無害という訳ではなく、脳波に近い周波数であり遺伝子などへの影響が懸念されています。
沢山の疫学調査や信頼できる大学での研究が超低周波の健康への影響を指摘しており、世界保健機構(WHO)は電磁波対策の必要性や具体策を明記した「環境保健基準」を出しています。
電磁波と健康への害との因果関係について科学的証明を待たずに被害防止策を進める「予防原則」の考えに立って、被害が出てからではなく対策を先行させることを促しています。
このような考え方が日本でも浸透することを願います。