前に書いたかもしれませんが、私は大学で原子力工学を専攻していました。
もう二十年以上前のことですが、放射線の人体への影響や放射線の防護に関する研究をしていました。

いわゆる工学と医学の境界領域で医学部医学科の研究室でした。
原子力が安全で必要ということを前提にするのではなく、例え微量であっても、放射線は人体に悪影響を及ぼすことを前提に人と原子力の共存を考えていました。

その時の考えは、原子力は次世代エネルギーへのつなぎであって、放射線廃棄物処理などの問題先送りでスタートしてしまった原子力の問題を何とか解決しなければというものでした。

限りある資源と地球温暖化を考えると、次世代エネルギーは自然エネルギーということになると思うんです。
EU各国は既に自然エネルギーに移行することを決めています。
ところが、日本は自然エネルギーへの移行を積極的に推進せず、原子力に依存する姿勢を変えていません。
二十年以上前に「つなぎエネルギー」と考えていた原子力にしがみついているんです。

その背景には利益優先・経済優先の企業体質が見えます。

なぜ日本は自然エネルギーを推進しないのか?
草の根運動・市民運動から、私たち一人一人の行動から、世論を変えて行かないと何も変わらないのかもしれません。