NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)海外レポートからの抜粋です。
1990年代初頭に、西洋医学以外の医療、すなわち補完代替医療に対する要望が欧米、特に米国を中心として起こった。
米国の保険制度は日本のような皆保険制ではなく、保険診療以外の医療費は国民が自己負担することになるため各自の好みのものを自由に選択することができる。特に、西洋医学に限界を感じた富裕層からの補完代替医療への要求が強くなったことを受けて1991 年には代替医療研究室を作る法案が米国議会で可決され、以後、国立衛生研究所の下部機関である補完代替医療センターが中心となってその活動を強力に推進している。
一方、欧州では古くから温泉療法、ハーブ療法などが広く使われてきており、西洋医学と補完代替医療が融和して進められている印象が強い。また英国には王室支援のSpiritual Healing Center 、スコットランドにはホメオパシー研究施設、ドイツには欧州ホメオパシーセンターなどが設立されている。アジア地区でもここ数年のうち中国や韓国で国立統合医療センターが設立され、国家的なプロジェクトとしてスタートする準備が整いつつある。
さらに近年では、補完代替医療と西洋医学の長所を融和させてより良い医療にまで高めようとした統合医療が新しく造語され、世界的に使用されるようになってきている。
代替医療 | 近代医療 | |
目標 | 保健・予防 ホリスティックな健康 |
治療が中心 臓器の治療 |
対応 | 自然治癒力・免疫力の向上 | 病因の削除 |
方法 | ライフスタイルの改善 (栄養・運動・休養) |
薬剤・手術などが中心 |
有効性 | 科学的に実証されたものが少ない | 科学的に実証されたものが多い |
安全性 | 科学的に実証されたものが少ない | 科学的に実証されたものが多い |
侵襲性 | 非侵襲性のものが多い | 非侵襲性のものが少ない |
快適性 | 多い | 少ない |
費用 | 安価(設備など) | 高価(設備など) |
費用効果 | 良い | 悪い |
こうした動向を受けて、本邦でも2005 年より文部科学省及び厚生労働省の統合医療への予算的措置が開始された。
(抜粋ここまで)
欧米では1990年代初めから代替医療に国が関わって取り組んでいましたが、日本では近年になってようやくなんですね。
この点で、欧米に比べて15年も遅れているという事実に驚きました
日本の病院で代替医療を積極的に進めない(?)のはこの辺りに原因があるのでしょうか
日本では、科学的に実証されたものが少ないことで代替医療を選択しない方が多いような気がします