太陽光発電量はかつて日本が世界一でした。

日本の太陽光発電が伸び悩み、ドイツに抜かれたのは2005年。

今でも日本の太陽光発電が世界一と思っている方が少なからずいらっしゃるようなので、私が知っている範囲で実情を書くことにしました。


現在主流なのは結晶シリコン太陽電池ですが、1980年代後半日本の結晶シリコン太陽電池の生産技術は世界で最も進んでいました。


ところが、日本は結晶シリコン太陽電池に関する研究を公的機関で推進することをやめてしまいました。太陽電池による発電コストが一般の電力に比べて10倍以上で、さらなる研究が必要だったにもかかわらずです。それで、結晶シリコン太陽電池の研究は企業に任せる状態になりました。


その背景には、公的機関は「科学」を研究するところで、「生産技術」を研究するところではないという、日本特有の考え方がありました。生産技術や実用化に関する研究は欧米では評価されますが、日本ではあまり評価されません。最近ようやく学内起業の形ができていますが、10年前や20年前にはほとんど見られませんでした。


日本の公的機関では、代わりにアモルファスシリコン太陽電池の研究を進めることになりました。アモルファスシリコン太陽電池は、日本発であり、将来的に生産コストを低く抑えることができ、原材料の枯渇の心配がないというふれこみでした。


そういった流れの中で、これからは結晶シリコン太陽電池はダメで、アモルファスシリコン太陽電池の時代という空気が作られました。そして、公的機関の研究はアモルファスにシフトし、結晶シリコンの研究は一部の企業が逆風の中で行わざるを得なくなりました。


研究が進むにつれて、アモルファスシリコン太陽電池の実用性が怪しくなってきました。元々発電効率が悪かったのですが、その試算が甘く思うような効率アップができないこと、発電効率を上げるものも開発されましたが、メリットであるコストが急増してしまうことなど、思うように研究が進んでいないのが実状です。


日本の自然エネルギー利用はあまり進んでいないとしか思えません。

blog1147さんの記事 でも風力発電設備量が2005年から2006年で減少しているのには驚きました。

政治家が環境問題を口にしないのはなぜなんでしょう。バックの団体の利益保持のため?そんなことは考えたくないですが。。。