昨年2006年にドイツで消費されたバイオ燃料は全体で約400 万トンで、動力燃料の消費量全体の6.3%を占めました。
その内訳を見ると、バイオディーゼル250万トン(4%)、植物油100万トン(1.8%)、エタノール50万トン(0.5%)と、ドイツではディーゼルの代替燃料となるバイオディーゼルがバイオ燃料の全体の約6割を占めています(なお、2005 年は83.3%でした)。
ちなみに、ドイツのバイオディーゼル使用量は世界一です。
2003年以降のバイオ燃料が動力燃料の消費全体に占める割合を見ると、2003年1.4%、2004年2%、2005年3.6%と推移しており、バイオ燃料の消費が確実に増加しているのがわかります。
ただし、これまで消費されてきたバイオ燃料は第一世代といわれるもので、たとえばバイオディーゼルの場合は菜種、エタノールの場合はサトウキビなどを原料とするため、将来食料と競合する危険が大きいことが懸念されています。農家にとっては食料としてこれらの作物を栽培するよりも、バイオ燃料の原料として栽培する方が経済的に魅力があるので、食料用の農地が減少する危険があると指摘されているのです。したがって、食料とは競合しないものを原料として製造する技術が必要となります。
食料とは競合しないものを原料として製造されるバイオ燃料は第二世代バイオ燃料ともいわれ、ドイツで最も期待されているのはBTL(Biomass to Liquids)です。BTL は原料となるバイオマスをガス化させて合成ガスとし、これを液体燃料とします。その際に、原料となるバイオマスとして、藁や木屑のほか、茎から葉や実など植物全体を利用することができるので、原料が食料と競合しない第二世代バイオ燃料として期待されています。