近年ヨーロッパでは、熱波・洪水など異常気象が目立ちます。
下の図は2007年7月24日のヨーロッパ東南部での日最高気温です。異常高温による死者もでました。
そのような背景もあり、ヨーロッパでは温暖化への関心が高いです。
イギリスのある高級スーパーで売られている野菜や果物で空輸されたものには、飛行機マークが貼られているのだそうです。環境負荷が大きいことをお客さんに知らせるために。
また、各スーパーでは、有名デザイナーを起用したマイバッグを格安で売ってレジ袋の利用を減らしたり、配達に電気自動車を導入して温暖化対策を競い合っているそうです。
イギリスでは、環境意識の高い顧客層をグリーン・ポンドと呼んでいて、その購買力と影響力を考えるようになっています。
日本でも、各デパートや大手スーパーがオリジナルエコバッグを出していますね。左が松任谷由美デザインプロデュースした高島屋のエコバッグ(500円)、右がプランタン銀座のエコバッグ(630円)。どちらも売上の一部を寄付しています。
最寄の駅近くにある西友は、オリジナルのエコバッグを出してますし、レジ袋を使わない場合は2円引きを実施しています。
このように、一般消費者の身近なところでは日本の温暖化意識が上がって来ている様に思います。
ところが、これが電力発電になると全く違ってきます。
9月13日投稿の「太陽光発電 ドイツと日本」 で書きましたが、ドイツの現在の自然エネルギー発電率11.8%、2010年目標値12.5%に対して、日本は現時点でコンマ数パーセント、2010年目標値が1.35%と大きな開きがあります。
一般消費者の環境意識が高まってきているのに対して、電力政策が大きく遅れていると判断せざるを得ません。
環境省がCOOL BIZ、WARM BIZに続いて昨年から打ち出しているのが「うちエコ!」。事業所で展開していたCOOL BIZ、WARM BIZを一般家庭に展開して電力節約・CO2排出量削減につなげる狙いです。
私の限られた視点からですが、一般市民の環境意識は日本でも高まってきていて、自分たちでもできる温暖化対策・環境対策は着実に行われ始めていると思うのです。この点は、ヨーロッパの話を聞いてもあまり驚かないので、大きな開きはないのだと考えます。
ところが、自分たちだけではできない温暖化対策については、日本とヨーロッパの大きな違いに驚かされます。
国民の環境意識を高めて行政指導で温暖化対策を実施するという考えのようですが、現実には政策面で大幅に遅れていると感じます。