温暖化によって氷が解け、海面が上昇していることはよく知られていますが、現在どこの氷が解けることが大きな影響を及ぼしていると思いますか?


南極だと思いますか?それとも温暖化の進行が顕著な北極のグリーンランドでしょうか?


アメリカのコロラド大学の研究により、氷河(※1)と氷帽(※2)の減少がグリーンランドと南極の巨大な氷床(※3)の減少よりも今世紀の海面上昇に大きな影響を及ぼす能性があることが明らかになりました。


※1:氷河とは、 降雪からできた氷の塊で、山岳地の斜面や窪地を覆ったり埋めたりしている。

   山岳地にあることから山岳氷河とも言う。


※2:氷帽とは、山頂や北極の島を覆う帽子状の氷河。

   ノルウェーのノールアウストランネ島、アイスランド等、多数ある。


※3:氷床とは、広大な地域を氷で覆う大規模な氷河。現在は、南極とグリーンランドのみにある。


現在、氷の融解による海面上昇のうち、グリーンランドの氷床は28%、南極の氷床は12%であるのに対して、氷河と氷帽は60%とのことです。


これまでは、海面上昇はグリーンランドや南極の氷床が溶けることの影響が大きいと考えられてきましたが、氷河と氷帽の融解が近年増加しているとのこと。


そして、氷河と氷帽の融解は複雑なプロセスで生じていますが、温暖化がそのプロセスを引き起こしている可能性があります。


これまで予測されているのに加えて、氷河と氷帽の融解によって今世紀中に4~9.5インチ(10~24センチ)の海面上昇の可能性があり、海水温の上昇によってこの数値は倍になる可能性があります。



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このように、温暖化に関する研究は日々進んでいます。不確かな推論によるものという理由で温暖化の影響を小さめに考える人がいるかもしれませんが、想定外の影響の方が多いのではないでしょうか。


根拠のない妄想は論外ですが、温暖化の影響を大きめに評価して対応することが大事だと考えています。