私は製造業メーカーをお客様にソフトウェアを含めたソリューションを提供する部署にいます。
会社の中にいて、利益を追求するがゆえに、血の通った人をあまり感じない場面に時々遭遇します。
皆の幸せを求めることが目的のはずなのに、それを後回しにして利益を追い求めるような行動や考えに触れるととても憂鬱になってしまいます。
ある製造業向けERP(※)パッケージソフトウェアを扱っている会社のホームページに「少子化時代の製造業」というコラムがありました。
※Enterprise Resource Planningの略。企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念のこと。SAP、BAANなどのソフトウェアが有名。
そのコラムでは、人口減少を迎えて企業の組織・業務プロセス・経営戦略を見直して利益確保の体質を作り上げることを勧めています。
利益を確保するには、コストを下げるか、単品の販売価格を上げるか。
コストを下げる(経費を節約する)のは自社努力なので比較的取り組みやすい、難しいのは、商品一つあたりの販売価格を上げること。
ということで、付加価値をつけることによって販売価格を上げるヒントについて書いていました。
そのコラムは、ジャムを例に挙げて書いています。
六本木の東京ミッドタウンに出店したベルギーのジャムブランド「ベルベリー」のロイヤルマーマレードが225gで1890円。これに対してアヲハタのオレンジマーマレードが楽天市場で335g365円。「この値段の違いは品質以上にブランド価値の違いだ」というのです。
希少価値・流行・ハイソなイメージ、そういったものをブランドとしてとらえていて、それらが品質以上に利益を生むと言う主張に違和感を感じました。
本質を見抜く目が必要だということはアメブロで色々な方が書かれています。私もそれに同感です。一方で、製造業メーカーにソリューションを提供する会社が「品質よりもブランド」と言っているのは悲しいことだと思います。