今日は、朝から実家に来ております。
自然の多い、わが実家。
子供達も走り回っています。
自然のイチジクが美味です。
さて、今日は久しぶりに微量PCB簡易測定法について。
テーマは精度管理
絶縁湯中の微量PCB簡易測定マニュアルには、
内部精度管理についても言及されています。
それを少々簡単に。
内部精度管理の実施方法
1.操作ブランク試験
これは、PCB測定の操作全体を通じて、コンタミが無いか?
を確認します。
この場合は、たまたま器具の一部からコンタミした場合はフォローできませんが、
高濃度試料があったことによる、
試験環境、ライン、や何らかの形で抽出溶媒などがPCBで汚染されていたり等、
様々な要因によるエラーに気づくしくみの一つとして必要な項目です。
試験頻度:測定バッチ毎に1検体
評価基準:濃度換算して、0.05mg/kg以下
2.機器の感度確認
本測定マニュアルは、様々な機器、検出器を用います。
これらの装置は汚染とともに、見た目のピーク強度が大きくなったり、小さくなったり、
形状がいびつになったり、様々な形で、症状が現れます。
使用している機器の特性に合わせた管理基準が必要でしょう。
試験頻度:測定前
評価基準:必要な感度を満たしていること。大きな変動が無いこと
3.クリーンアップスパイク、内部標準の回収率算出
PCB簡易測定法マニュアルには、多くの方法においてクリーンアップ操作が発生します。
方法によっては、分析実施者の判断によるところもいくつかあるので、しっかり回収されているかの
確認が必要です。
クリーンアップスパイクに用いられるのは、
・PCB工業製品において主要な異性体を避ける
・定量値に影響を与えない
・前処理操作において、PCB工業製品と挙動が似ている
を満たした異性体になります。
代表的なものとして、♯189、♯209があります。
試験頻度:同種の絶縁油脂量の内1検体以上
評価基準:こちらは、検出器により基準が異なります
GC/ECD:70%<回収率<120%
GC/QMS、GC/MS/MS、GC/HRMS:50%<回収率<120%
ECDの回収率基準がMSより厳しいのは、やはり選択性の差でしょうか。
4.試料の二重測定
操作全体を通して、制度よく行われたかどうかを評価するうえで必要な事項です。
やり方としては、0.5mg/kg以上の試料について、再分析を行い、一回目の測定値と比較します。
同時前処理ではないので、いつやっても精度良い結果が得られるという証明にはなるでしょう。
分析担当者は大変ですが・・・・・・。
試験頻度:全検体数の5%以上
評価基準:2回の定量値が平均値に対して±20以内
5.分析法検出下限値の測定、回収率試験
これは、操作全体を通して、定量下限値を満たしているか、回収率が保たれているかの確認試験。
絶縁油中のPCB分析業務が始まる前や、人などが変更した時点で行います。
試験頻度:下記の場合
・絶縁油試料分析の開始前
・分析者、機材の変更があった場合
・年一回以上
評価基準:下記の通り
・定量下限値:<0.15mg/kg
・誤差:PCB濃度0.5mg/kg付近の試料において、誤差が±20%以内
といった内容が内部精度管理として組み込まれております。
外部精度管理
いわゆる、技能試験ですね。分析の精度管理及び正確さの客観的な把握を目的とします。
今日は、こんな感じで。