今日はCdとPbの前処理留意点について。
この両金属は、
酸による前処理後、原子吸光法、(フレーム、電気加熱)、ICP発光、ICP質量分析法にて、
測定します。
フレーム原子吸光法では、
Cd:0.1mg/L
Pb:1mg/L
以上であれば直接分析が可能です。
一方で、留意点としては、
共存物質の影響が挙げられます。
対策としては、
内部標準法による測定が挙げられます。
また、
共存物質の影響を除去する為には、
キレートー溶媒抽出を採用される場合が多いです。
そこで、また注意する点が・・・
Feの沈殿です。
これをマスキングするためには、
クエン酸アンモニウム、ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム等の
キレート材の量を増やす必要があります。
また、狭雑物の量によっては、
沈殿する金属の量が増え、
溶媒抽出による回収率の低下が懸念されます。
このような場合は、
キレート化材や溶媒の添加量を増やすことで対応します。
なかなか大変そうです。(実際どうなのでしょ?今度、分析担当者に聞いてみます。)
次に
電気加熱原子吸光度法の場合
検液中の塩素量の影響が挙げられます。
検液中の塩素量が多いと、
乾燥時の突沸に注意した温度設定(昇温条件をゆるめる)や、
灰化時の揮散を防がなければいけません。
硝酸パラジウムの添加によりある程度の共存物質の妨害が除けますが、
標準添加法による補正は必要となります。
ICP発光分光分析法は、
Cd:214.438nm
Pb:220.351nm
でそれぞれ測定します。
試料中のイットリウムの影響が挙げられます。
これは、従来イットリウムを内標準として、使用していますが、
廃棄物由来の汚染土壌などに、イットリウムが入っている場合があり、
この場合、イットリウムを内標準として用いることが出来ません。
とまで書いたところで、都合によりこれにて終了。
続きは次回。
すみませんっ!