今日は、分析条件の検討について。
まずは、ガスクロマトグラフィーから。
カスクロマトーグラフィーの分析条件設定に際して、
様々なパラメーターがあります。
・物性(性状・沸点・官能基等の構造・分子量)・熱安定性
・濃度範囲
・試料の特性(主成分など)
・検出器(MS、FID,TCD,FPD,FTD,ECDなど)
・注入方法(スプリット、スプリットレス、ダイレクト、ヘッドスペース、加熱脱着など)
・前処理
・使用カラム
といったものがあります。
もう一つ大事な点が、
顧客が何を求めているかです。
ガス試料であれば、
その瞬間の濃度を知りたいのか、8時間や24時間の濃度を知りたいのか、
また、知りたい濃度範囲
これらにより採取方法も異なります。
例えば、その瞬間のトリクロロエチレンの濃度が知りたい。
定量下限値が0.1ppm
とくれば、
直接捕集を行い直接GC/MSにて測定する。方法で良いでしょう。
一方で24時間における濃度を0.1μg/m3のレベルで知りたい場合であれば、
キャニスターを用いた24時間採取が方法として挙げられます。
そんな中で、今日はカラムについて少々
ガスクロマトグラフィーにおいては、充填カラム(パックドカラム)とキャピラリーカラムがあります。
今日はキャピラリーカラムの、種類の選定について述べます。
まず、基本的な考え方としては、
極性の強い化合物には強極性の固定相
無極性又は微極性の化合物には無極性又は微極性の固定相を用います。
極性の強弱としましては、官能基がヒントになります。
極性の強い官能基・・・酸、アルコール、アルデヒド等
極性の弱い官能基・・・エステル、芳香族等
極性を持たない官能基・・・炭化水素類
といったところです。
では、どのようなカラムがあるのでしょうか?
極性別に紹介します。
無極性
固定相:100ジメチルポリシロキサン
特性:低沸点のものから沸点順に溶出
用途;石油関連、炭化水素、高沸点成分
微極性
固定相:5%ジフェニル95%ジメチルポリシロキサン
特性:環境分析ではよく用いられる。
用途:環境関連、農薬類
中極性
固定相:50%ジフェニル50%ジメチルポリシロキサン
特性:フェニル基含有量により芳香族化合物の保持
用途:TMS誘導体、フェノール類、農薬、溶剤
高極性
固定相:ポリエチレングリコール
特性:極性化合物の保持が強い
用途:有機溶剤、極性化合物、脂肪酸メチルエステル、アルコール類
といったところでしょうか。
もちろん上記以外でも、
中極性のシアノプロピルフェニルジメチルポリシロキサンや
プロットカラムといった、低級炭化水素等
目的成分の性質に応じたカラムも存在します。
今日はこれまでですが、
分析条件の選定という観点から、
ガスクロマトグラフの注入口、分離部、検出器の特性等にも述べていこうとおもいます。
と同時に、分析制度の確保という観点から、
メンテナンスなどについても述べていければよいかと思います。