昔、仕事をしていた会社では人数が急増したため自社周辺に事務所を数ヶ所借りていた。

借りた中にはある自社ビル持ちの会社の空きフロアをお借りし、そこの床下の電気配線の設計?や有線LANの配線、その他ビルのキーの管理などに加え引っ越し手続き、ビル管理している会社との窓口などを行った、といった話は別の話なので割愛するとして。

そのビルではないが、借りていたビルの一ヶ所で「スマートロック」を採用しているビルがあった。スマホがキーになるんだもの、便利であった。

その関係で、自身で事務所っぽいところを借りた際にスマートロックを付けよう、と思っていてたが、借りたので検討することにした。
採用基準としては
・買い切りで、月額料金がかからないこと。
・最低限、スマートホンで解錠できること。
工事がいらず、元々の鍵も使えること。
・できればドアの内側だけで取り付け作業が完了すること。
・できればリモートで離れた場所からも解錠できること。

であった。
調べた限り、セサミというスマートロックが一番条件に合致した。
今はセサミ3である。上記を全て網羅する上に
・NFCカード、つまり交通系カードでも解錠が可能になっている(現在試していない)
・開いたままであれば、指定時間後(5秒、15秒等を指定できる)にロックをすることが可能である。
を行ってくれる。更に解錠、施錠の履歴が残るのだ。

注意点があるとすれば、
・開閉時の角度が45度未満くらいなら思ったように動作してくれないことがある。
  →少し角度を大きめに取ることで解消したが。
・リモート解錠のためにWiFiモジュールという付属のものを使う。ただ、設定画面から一度削除すると認識しなくなる。その場合、WiFiモジュールのリセットスイッチ(縫い針やゼムクリップを伸ばしたもので押せそうな穴がある。これを電源確保した状態で5秒程度押すとランプがいったん消える)を使ってはじめから設定し直す必要がある。

くらいである。


これ、民泊やホテルなんかでは便利なのではと思う。
・民泊ではキーのやり取りが不要になる。相手がスマホにアプリを入れて登録させれば、複数人に一時的に鍵を与えることが可能である。
・ホテルではスマホでも良いが、フロントで管理している交通系カードキーを渡す、でもよい。トラブル時は業務用スマホにキーを入れ解錠に向かうことも可能だ。監視カメラ等で確認できるのであればリモート解錠も可能だろう。

将来的には顔認証や指紋認証、静脈などもあるのだろう。しかし、コスト的には現状セサミはかなり導入の敷居が低いだろう。
浜松町の世界貿易センター。1970年に竣工したそうで、この後建て替えだそうだ。建て替えの理由はIT環境などが時代のニーズに合わなくなってきたそうだ。
近くを通ったことはあるが、あまり感慨深さはない。

思うのは、ビルってそのくらいで建て替えて採算が取れるのか?ということだ。
土地は地主に借りたとして、思いつくだけでイニシャルコストとして建築費、ランニングコストとして修繕費や改修費、固定資産税はかかる。

50年の家賃収入でトントン、という訳でも無かろう。
他の立て替えのペースを見ていると50年なら長いのかもしれない。20年くらいで十分回収できる家賃設定だとすれば・・。

なんか、本来は要らないものを壊しては造っているのでは、という気にもなる。

実際の所、どうなんだろうか?
昨年10月末から11月上旬で、北海道と東北の出張を行った。
時間の都合もついたため、せっかくなので旧友を訪ねたりしてみた。
その際、函館と仙台でコインロッカーに荷物を預ける機会があったのだが、従来のように物理的な鍵が付いてはいなかった。
函館は、駅の2階にあったコインロッカー。ICカード方式であった。
仙台は、西口のタクシー乗り場あたりのコインロッカー。レシートが発行され、それに解除コードが印刷されていた。

物理的な鍵がなくなっている、という状態である。
ICカード方式の方が個人的には便利だとは思うが、外国人観光客などICカードを持たないお客さんに対応できるレシート式の方が親切だと思う。両方対応していて、選べるとなお良いが。

管理上もセキュリティ上も、物理的な鍵より負荷は小さくなるだろうし、ピッキングのリスクも下がるだろう。
停電時にどういう状態になり、その対策はどうするのかを考慮して設計しておく必要があるが、運用を重ねて問題点を洗い出し安全性を高めていることだろう。

今後、キーレス型のコインロッカーは増えていくだろう。