某就職情報関連の顧客のシステムの設計・開発をしていたとき。まだエントリーシートというモノがなく、就職活動には企業からは電話やはがきを主に使っていたころ。
当時の弊社の主流の開発言語は部署にもよるが、C、アセンブラ、そしてCOBOL。

顧客:某就職情報関連の会社
企業:上記「顧客」のシステムを利用する会社

新人の1月頃からこれをCOBOLで実装し、2年目、3年目に運用と設計開発をしていたが、これは2年目の話。3つ上の先輩が2年目の途中からリーダーということで入っていたが主に社内調整。大まかな処理概要は課長と先輩。それを実現するフローと詳細設計はほぼ一人で行いプログラムは製造する部に設計書を渡して依頼できたが、その質疑応答と顧客との話はすべて私、という状態だった。
その少し前に、主にアセンブラを組んでいた部から30台半ばのエンジニアがこちらの部に異動してきて、ウチの課長が女性だったこともあり私の居るプロジェクトに参入することになった。

さて、業務の話。人によってその企業に何回アプローチ(主にはがきの内容だそう)したか、という回数を記録するカウンタが、当初は1桁あれば十分だという話で顧客と進めていたのだが、「企業様によってはDMの反応を細かく見ることがあり、10回を超えるやりとりが希にあるそうで、それに対応したい」とのこと。あくまでも合否を決定するまでの過程を記録するモノであり、内定後の情報はこちらには入らない仕組みである。
まあ、そんな事情なので10回以上は必要と言うことになった。20回アプローチがある前に合否を決めるので、それ以上は要らない、というような話だと顧客が企業からヒアリングした結果を教えて下さった。
技術的な話をすると、例えばVBAだとInteger型で60,000を超える値を管理できるが、COBOLでは桁数を指定する必要があり、この場合は1桁から2桁に変更する必要があった。

その話を先の異動してきたエンジニアに「これお客さんと検討して2桁に変更になります」と伝えたところ「何で拡張するのよ!」と怒鳴ってきた。それで先ほどのような説明をしたところ「何で2桁なのよ!10以上来るんだったら100回以上アプローチする人だっているかもしれないじゃないの!」と切れられてしまった。女性だったので言葉遣いもこんな感じであったが、女性だから、と貶める意図は一切ないので念のため。

COBOLを使っている方ならご存じだろうが、数値型にはゾーン型とパック型がある。
パック型で2桁にするのも3桁にするのも2バイトなので問題ないので「パックなら2桁でも3桁でも2バイトなので問題ないよね?」なら「そうですよね。じゃ、ゾーン型の2桁でもパック型の3桁でも2バイトなので問題ないですよね。」となっていただろう。

しかし、なんで100回以上アプローチする人がいるかもしれない、と考えたのか謎だが、対象業務を理解していなかったのかも知れないし、まだ、まだ2年目の若造が自分より立場上は上の仕事をしていたのが気に入らなかったのかも知れない。
でも、仕事なんだし、何考えてるんだかな、と思った。