さて、前回予告したとおり、とても動揺した話を書く。
まだ入院中なので、これより動揺する事象があるかもしれないが、おそらく無いだろう。
本来なら医科ごとに入院フロアが分けられているのだが、病院はほぼ満床。私も緊急入院の扱いなので同室には同じ科で入院されている方はいない。知る限り、がん患者はいらっしゃるってなんでも治療が終わったが、なんかの数値が低いので落ち着くまで入院するとか。
さてそんな中、同室の一人、食事が食べられず栄養剤をチューブで入れている方が居る。
消灯前の回診で「何時にチューブを繋げます」とかいう会話がなされているのが聞こえる。
まあ、ほぼ23時なのだが、その方は消灯を過ぎてもその時間まで動画でも見ているのか、たまに笑い声が聞こえる。
私も23時までに寝付くことはないので、いろんな妄想をしながら寝付けるのを待っている。
いつもは看護師さんが入ってきて、軽く会話してチューブを繋げ、様子を確認して、必要なら措置をして、去って行くのだ。
忘れもしない。ある夜だけ音が違ったのだ。
その日は消灯後、笑い声がしない。やがて23時になると、巡回後に看護師さんがやってきた。チューブを繋いだ音までは聞こえた。
しかし、看護師さんが帰る音がしないし、会話も何も無い。
不思議に思っていると、ベットがきしむ音がしてきた。
さすがに不思議に思いもう少し耳をそばだてた。
別途があと数度きしむ音が聞こえ、一度だけ、男性のあえぎ声のようなものが、ごく短くではあるが聞こえた。
これが噂の?とか思ったが、さすがにただでさえ人手が足りないであろう夜勤の看護師にそんな時間は無いだろう。と思いつつ、頭の中はパニックだ。
心拍数は上がり、耳をそばだてていたが、それ以上音は何もしない。
しばらくがんばって耳をそばだてたが、疲れてしまったのか残念ながらそのまま寝入ってしまっていた・・。
事実関係は分からないが、退屈な病院生活では刺激的だった。
次回は、こんなことを書くきっかけとなった事を書いてみる。