前回までに、VBA利用者のなすべきこととして正しいアウトプットを導くため、インプットを正しい順序、正しい方法で処理するようにしてやらないといけない、と説明した。また、その際には、より適切な方法を採ることが大切である旨も述べた。

適切、のあたりを何度かに分けて説明していこうと思う。


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VBAでシステムを作る際の考慮点 その4


話は飛ぶかもしれないが、VBAでプログラムを作った経験者なら「VBAでコードを書いていて困ったこと」にぶち当たったことはあるのではないだろうか。

多いのは「どう書けばやりたいことを実現できるのか」だろう。それでとりあえずは動くようになったとする。しかし、新たな壁が立ちはだかったりしないだろうか?例えば次のようなこと。
 ・消費税が上がるけれど、どれだけ影響範囲があるのかわからない。
 ・結果が出るまで30秒かかるが、そんなにお客さんを待たせられない。
 ・OSやExcelのバージョンが変わったら思い通りに動かなくなった。
 ・機能追加をしたいけれど、触れない。
 ・ときどき思惑通りでない結果が出てくる。
 ・画面や印刷物がみずらい。

このあたりを解決したくても、そういった情報がそうそう見つからないだろう。


家を建てるとき、現場の人が適当に建てていることは現代社会においてはそうそう見つけることができないのではないだろうか。通常、設計という工程を経る。
文章作成においても、清水幾太郎氏の「私の文書作法」という書籍の中で「設計図」を作成することを勧めている。特に論文であれば、どういう材料をどういう順序で出していくかを吟味しておくべきだろう。

先ほど出したような壁にぶち当たったなら、おそらく「設計」という工程が存在しなかったか、十分でなかったか、ではないだろうか。

では、上記のような壁にぶち当たっても途方に暮れないために、具体的にはどうしてゆけばいいのかを、次回以降掘り下げていこうと思う。