過去に「俺は仕事に誇りを持っている」と言い放っていたエンジニアがいた。言葉は切れるのだが、その切れ味は周囲への気配りはなかった。
彼の言う誇りは、「最高の仕事」らしいのだが、自分の考えた範囲での、という前提がついて回っていた。客と打合せをすると客の業務や考え方を否定し、システムに合わせさせようとする。客には嫌われるのだが、内部では「頼れる奴」と思われてしばらく重宝されていたようだ。私は客の意見をとことん聞いていたが「客に迎合する」と疎まれ、そのうち元請けと訣別することになった。

しかし、客の方向を向かずにシステムなんて構築できるはずもない。私が抜けたことで客の信頼は落ち、システムは総崩れとなった。その後、連絡があり「大変なことになっている」と聞かされたがそれは元請けの選んだ道だし、その元請けから損害も被っているので知ったことではない。大切なことを見誤った結果だろうから自業自得だ。

さて、エンジニアの中には「誇り」と称して実はワガママや個人的なコダワリを持ち込む輩が居る。分からなくもないが、エンジニアのエゴなのか否か、見分ける必要があるだろう。

最近、今の仕事場でつっかかってくる輩が居る。それを見ていて、過去のそういうのをふと思い出した次第だ。