
こういう現象は、都会にいてはなかなか体験できない。
自然現象、というには?というものも含めて、いくつか挙げる。
・浜辺の満月
メキシコのトゥールムという、海に面した遺跡のすぐ近くのバンガローで宿泊した際。夕食後、バンガローに戻る道で蛍のきらめきをしばらく見た後、砂浜のバンガローに帰ろうとしたら満月が出ていた。カリブ海に浮かぶ月は幻想的で、しばらく見とれてしまった。
・月に向かって進む船
これは自然現象と言い難いが・・。大学の卒業旅行とといいつつ、実際は一人旅になった中国旅行。航空券は香港往復の格安チケット。帰国する前の都市が上海。香港まで戻るのも面倒なので、用意していた帰りのチケットを捨て、現地で航空券を購入した。しかし、ドミトリー(相部屋の宿)に居た連中はほとんど船で帰るという。ならばと航空券をキャンセルし、せっかくだからと2等船室ではなく特等を取った。
上海から大阪への船に乗った際、船室から甲板はすぐだった。中国国内で5等という船底の部屋だったのとは大違い。夜に目が覚めてちょっと甲板に出てみると、船がまるで満月を目標に進んでいるようだった。甲板で風を切りながら、就職後はこのように目標に向かって進んでいくんだ、と決意を新たにした記憶がある。
・夏の夜の流れ星
通っていた高校では、社会科巡見/理科巡見とうい旅行という旅行が企画されており、希望者が参加できた。理科巡見は夏に実施されており、化石探し、虫の糞の解析、星の観察、などが実施されていた。初夏の岐阜県の福地という小さな温泉郷に2泊だったかと思う。
どこの都道府県でも県庁所在地ともなれば夜の空は明るく、星はあまり見ることはできない。しかし、ひなびた山間の温泉であり、よけいな光がないので、夜はものすごく星が美しい。その日は月もなく、天の川の流れ、夏の大三角形、そこにきらめく星を理科の先生が解説してくれた。
流れ星なんてそうそう見られるものではないと思っていたのだが、ちょうど流星群の時期に合わせて旅程を組んでいたとのことで、1時間も見ていればいくつか見れるだろう、とのことだった。
確かに小さいものはいくつか飛んでいる。こんなもんかな、と思っていたところに、どんな星よりも輝いている金色の玉が尾を引いて流れていった。時間にすれば1秒にも満たないが、よく絵で描かれているの流れ星は、決してデフォルメしすぎているものではなく、天頂から流れていった。
その感動は大きく、20年以上経った今でも目に焼き付いている。
子供たちがもう少し大きくなったら、流れ星は見せてあげたいと思う。