たまに、恐ろしくなることがある。エンジニアの会話だ。

顧客には最適なものを提供する、はずなのだが・・。

「これっていつ保守切れ?」
「今年度いっぱい」
「なら、それを別のシステムに置き換えられる?」
「レガシーすぎて、通信プロトコルも独自なものらしい。リスクが高すぎる。」
「じゃあ、レガシーシステムのマシンを置き換えて継続させるしかないね。」
「それが一番のおすすめ案だな」

って、ちょっと待て。そんなものに客が投資するか!と思うのだが、そういう会話が平気で行われる。本人たちは「おかしなこと」だという自覚はない。心理学用語の、リスキーシフトだといえるのではないか。

技術屋の話は経営的視点に欠けるとかよく言われるが、これは「今度地デジ化され、アナログ放送がなくなるのに、今からアナログ放送用のチューナーをおすすめする」ようなものではないかと感じた。もっと酷い言い方をすれば、せっかく新しくて安い商品があるのに、賞味期限切れの商品をおすすめしているようなもんじゃないのか?自分たちの都合のいいものをおすすめとしていいのか?

なお、誤解のないように補足するが、オープンシステム至上主義ではない。レガシーにはレガシーのいいところもあるので、残る部分もあるだろう。しかし、上記のような理由でのレガシー存続はどうかと思う。


企業の部長クラスがこれだもの。ちょっと困ったものである。