語弊があるかもしれませんが、実戦経験をロクに積んでいなければPMBOKも「タダの知識」なのです。

プロジェクトで四角四面にPMBOKを適用、なんてことは考えない方がいいでしょう。PMにとって大切なことは「プロジェクトをうまく回していく」ことであり、「PMBOKを厳密に適用する」ことではないのです。

また、PMBOKはコーランやバイブルのように絶対的で変化のないものではありません。CMMIでいう5のレベルの如く、少しずつ最適化が図られているのです。

PMPを未取得で現場を上手く回すPMと、PMPは持っているけれど軋轢を起こすPM、どちらがマネジメントといえるでしょうか?実際、こういうケースは見かけます。企業戦略としてPMPの取得を推奨したりしているがために、更にPMPを「やらされ感」で取得しているがために、「知識だけPM」は増えている気がします。

PMP保持者としてはいささか残念ですが、嘘を伝えても仕方ありません。

もう一つ、これは経験から思う持論ですが、管理される指標が何なのか、管理者は何を欲しがっているのか、管理される側の技術者が理解しておく方がいいのではないかと考えています。つまり、PMBOKの概略はプロジェクトに参画するための基礎知識として知っておくべきではないかと思います。

その基礎をおさえつつプロジェクトに参画していけば、知識と経験を持ったPMが育つのではないかと思います。