印象深い技術経験(2) | 技術コンサルティング研究会 BLOG

印象深い技術経験(2)

こんばんは。でうでうです。

印象深い技術経験ということで、自分にとって良い”経験”となったことをつらつらと書いてみます。
(良い”実績”ではありませんよ)

①工場勤務
自分は、配属先は工場で、1年ほど3交代での生産オペレーター業務を行っておりました。
たった1年でしたが、非常にいい経験でした。
一番直結したのは、工場から開発に異動になった直後の増産対応でした。
有る素材の製造量増加(収率向上)のために工程改良を行うというものです。
「製造設備やラインが解る」という知識的なものはもちろんですが、それ以上に、生産現場とのパイプを持てていることがかなりの強みとなりました。
開発職場ですの生産に関係する仕事も多々ありました。そのため製造に関する情報は常に必要となります。
その際、他の開発の同僚が工場の管理部門から情報を得ているのに対し、自分は生産オペレーターから直接情報を得ることができました。
時間も質もかなり優位性がありました。

自分もそうだったのですが、学生のころは工場勤務に嫌悪感を持っていました。
ですが、工場勤務で生産部門とのパイプを作ることが、開発業務で非常に活用できることを体験しましたので、工場嫌いの学生と話をする時は、よくこの手の話をしています。

②共同出願
ある委託研究で特許を出願することになった時のことです。
委託研究ですので、自分は全く研究作業はしておりません。
書類作成については、ほぼ全てを共同先に任せるとの指示でしたので、ほとんど何もしないつもりでした。
ですが、共同先からの送られてきた文書を見ると、書式や表現など出願書類とは思えない内容。
出願書類を書いたことの無かった自分でもはっきりとわかるものでした。
しかたないので、見よう見まねで文面等を修正。
修正したものは弁理士先生からもそれほど直されていないので、まぁまぁだったのだろうと(勝手に)思っています。
さて、この発明ですが、先行技術調査も任せていたのですが、書面が固まりつつある頃に、先行技術をもう少し補完しようと、少し調べてみました。
すると・・・、かなりそっくりな出願が、あっさりと出てきました。
結局、かなり範囲を絞ったクレームへと、急遽変更して出願するにいたりました。

他人(他社)を信じ過ぎてはいけないという、非常に基本的な失敗の一例でした。
今回は共同先は企業ではなかったので、より配慮が必要でしたね。

③契約
3つ目は簡単に書きます。
3年くらいかけて受託を前提とした共同研究をしていたことです。
TOPで決めるべき契約内容について、あいまいのまま進めておりました。
案の定というか、後半にそのあいまいな部分で揉めて、結局破談となりました。
決めるべきことを最初に決める、という当たり前のことですが、その怖さを実感した経験でした。