文系の技術コンサル (2)
がーすーです。
今日は「文系の技術コンサル」について書いていきます。
まず文系が技術コンサルタントをやるときに不利な面と有利な面を考えてみます。
その次に技術コンサルタントに向いている文系の方がどのようなタイプの文系かを考えます。
最後に、技術コンサルタントに向いていない文系の方が、どうすれば技術コンサルタントとして活躍できるようになるかを考えます。
1.文系が技術コンサルタントを目指すときに不利な側面と有利な側面
(1)まず、技術コンサルタントが扱う対象は、表に示されたデータ数値や目に見えない構想段階の新製品だったりします。また、接するクライアントは、理系の現場にいる職人や技術者、企業の企画開発部門の方であったりします。
そして実際の業務では、例えば並んでいる数字から法則性を見つけられるか、並んでいる数字から異質なエラーを見つけられるかなど、根気よく数字を読み返すことが必要となるかもしれません。
また、まだ見えぬ構想の新製品は物理的や化学的に高度な理論により、導かれる物かもしれません。
そして、理系の現場の方は従来技術の余計な説明を省いて説明するどころか、狭い専門領域でしか使われない単語を用いて相談をもちかけてくるかもしれません。
このような状況下、技術コンサルタントは課題抽出や対応策の提示をしなければなりません。
(2)文系の方が不利な側面は、大学を始めとした高校以降の教育で、理系なら誰もが知っている基礎的な知識を知らない点です。この点は仕方ありません。潔く認めましょう。
しかし、基礎知識不足を認めまても、技術コンサルタントへの道を諦める必要はありません。ポイントは理系の基礎知識は、クライアントの誰もが説明できるものという点にあります。そして、基礎知識なのに知らないことを聞く場面では文系の方の方が有利です。理系で基礎知識を知らないとクライアントからの評価が下がりかねませんが、文系であれば評価が下がることは少ないです。
(3)また、技術的な問題への有効な対応策の導き方、ひらめきの力については、理系、文系ともに別の次元で考えることになるので特にどちらが有利とも不利とも言いにくいのが実情です。例えば、発明者の間や特許を扱う人間の間では、ひらめきの大きさは、融合させる技術分野間の距離に比例するとよく言われています。ひらめきを科学理論からのアプローチで導ける理系と、言語力からのアプローチで導ける文系。そこに有利と不利では単純に分けられない次元の違いがあるだけです。
(4)次に数字についてですが、数字アレルギーがあるレベルまでいくと流石に技術コンサルタントとしては不利です。しかし、表としてまとまった数値データを見る機会は実は高校以降では文系の方が多いです。経済、経営、商、社会科学などであればデータが表になっているのをよく見かけるでしょう。特に簿記の勉強をしていれば十分な経験を積んでいると言えます。その間に理系の学生はテキスト通りに実験して生データを集めていたり、難しい微分方程式やらを解く練習をしており、表の解析力を身につける練習はあまり多くしていません。このように、表のデータ解析力は文系でもほとんど理系と同等の訓練を受けており、特に上記の学問専攻であれば文系の方が有利なことすら有り得ます。
(5)最後に高度な物理化学理論の理解や、専門用語の理解ですが、文系の方が理系よりも不利のように一見思えます。しかし、実際のところ高度な理論は理系出身者でも少し専門分野外になった瞬間にわからなくなるものです。実は技術コンサルティングを幅広い技術分野でやるに当たり、理系と文系の間で、高度な物理化学理論や専門用語の理解のスタートラインはさほど離れていません。ここを意識できれば、特に不利ではないと考えることも可能です。
2.技術コンサルタントに向いている文系とは
上で述べたとおり、技術コンサルタントに向いている文系も少なからず存在します。
上の1.(2)~(5)の有利な側面と不利な側面をまとめれば、下記のようになるでしょう。
「基礎知識がないことを認めて、素直に相手から情報を得る力を持っている人」、
「科学理論からのアプローチが苦手なことを認めて、言語学的なアプローチでのひらめきで勝負する方法を知っている人」、
「少なくとも数字アレルギーがなく、表を解析する訓練を積んでいる人」、
「高度な理論や専門用語を毛嫌いせず、新しい言語であるそれらをゼロから学ぶときに上達が早い人、すなわち言語力と論理力がある人」。
3.文系の技術コンサルとして活躍するには
文系出身者にとって、技術コンサルタントは遠い存在かもしれません。
ときには自分から望んだわけでもなく、技術コンサル的な仕事をすることになった文系の方もいるかもしれません。
そのような方は、昔は理系から経営コンサルや会計コンサルになろうという方はそこまで多くいなかったことを思い出してみるとよいかと思います。今では、理系の大学院を出ている方が経営コンサル等を目指すのは一般的になりつつあり、実際に人数も増加しています。
あらためて考えて、文系から技術コンサルを目指すことは不可能なのでしょうか。また、文系の自分に向かない職場に回されてしまったと考えて配置転換を祈ることだけが文系出身者に適した道なのでしょうか。
実際に理系出身者のみで技術問題の課題抽出や対応策の検討をしているのが現状です。しかし、文系の方の方が有利な場面は上記のとおりたくさん存在しています。今までは意図的にせよ違うにせよ、文系の方が技術問題の解決にあたる必要性は見過ごされてきたのが実情ですが、理系が圧倒的な有利というわけではないのです。
高校以降の教育の場では、理系は問題解決のスキルを身に付ける機会は予想以上に少ないという事実も上の例を読んでいただければわかると思います。
文系の技術コンサルがいきまり活躍するのは難しいと私も思います。ただし、それは理系の技術コンサルの有利なことを真似しようとしているからかもしれません。
文系出身者が技術問題の解決にあたり、自分の不利な側面を長所に変える方法を身につけたとき、さらに文系の有利な側面を打ち出せたとき、技術コンサルは経営コンサルや会計コンサルに勝るとも劣らない面白い分野になっているはずです。
そして、文系と理系のアプローチの両方を持つことが最終目標だとすれば、どちらの道から登っても目的地に辿り着くのにかかる時間は同じです。
長くなりましたが、社会人2年目になった初日のがーすーでした。
今日は「文系の技術コンサル」について書いていきます。
まず文系が技術コンサルタントをやるときに不利な面と有利な面を考えてみます。
その次に技術コンサルタントに向いている文系の方がどのようなタイプの文系かを考えます。
最後に、技術コンサルタントに向いていない文系の方が、どうすれば技術コンサルタントとして活躍できるようになるかを考えます。
1.文系が技術コンサルタントを目指すときに不利な側面と有利な側面
(1)まず、技術コンサルタントが扱う対象は、表に示されたデータ数値や目に見えない構想段階の新製品だったりします。また、接するクライアントは、理系の現場にいる職人や技術者、企業の企画開発部門の方であったりします。
そして実際の業務では、例えば並んでいる数字から法則性を見つけられるか、並んでいる数字から異質なエラーを見つけられるかなど、根気よく数字を読み返すことが必要となるかもしれません。
また、まだ見えぬ構想の新製品は物理的や化学的に高度な理論により、導かれる物かもしれません。
そして、理系の現場の方は従来技術の余計な説明を省いて説明するどころか、狭い専門領域でしか使われない単語を用いて相談をもちかけてくるかもしれません。
このような状況下、技術コンサルタントは課題抽出や対応策の提示をしなければなりません。
(2)文系の方が不利な側面は、大学を始めとした高校以降の教育で、理系なら誰もが知っている基礎的な知識を知らない点です。この点は仕方ありません。潔く認めましょう。
しかし、基礎知識不足を認めまても、技術コンサルタントへの道を諦める必要はありません。ポイントは理系の基礎知識は、クライアントの誰もが説明できるものという点にあります。そして、基礎知識なのに知らないことを聞く場面では文系の方の方が有利です。理系で基礎知識を知らないとクライアントからの評価が下がりかねませんが、文系であれば評価が下がることは少ないです。
(3)また、技術的な問題への有効な対応策の導き方、ひらめきの力については、理系、文系ともに別の次元で考えることになるので特にどちらが有利とも不利とも言いにくいのが実情です。例えば、発明者の間や特許を扱う人間の間では、ひらめきの大きさは、融合させる技術分野間の距離に比例するとよく言われています。ひらめきを科学理論からのアプローチで導ける理系と、言語力からのアプローチで導ける文系。そこに有利と不利では単純に分けられない次元の違いがあるだけです。
(4)次に数字についてですが、数字アレルギーがあるレベルまでいくと流石に技術コンサルタントとしては不利です。しかし、表としてまとまった数値データを見る機会は実は高校以降では文系の方が多いです。経済、経営、商、社会科学などであればデータが表になっているのをよく見かけるでしょう。特に簿記の勉強をしていれば十分な経験を積んでいると言えます。その間に理系の学生はテキスト通りに実験して生データを集めていたり、難しい微分方程式やらを解く練習をしており、表の解析力を身につける練習はあまり多くしていません。このように、表のデータ解析力は文系でもほとんど理系と同等の訓練を受けており、特に上記の学問専攻であれば文系の方が有利なことすら有り得ます。
(5)最後に高度な物理化学理論の理解や、専門用語の理解ですが、文系の方が理系よりも不利のように一見思えます。しかし、実際のところ高度な理論は理系出身者でも少し専門分野外になった瞬間にわからなくなるものです。実は技術コンサルティングを幅広い技術分野でやるに当たり、理系と文系の間で、高度な物理化学理論や専門用語の理解のスタートラインはさほど離れていません。ここを意識できれば、特に不利ではないと考えることも可能です。
2.技術コンサルタントに向いている文系とは
上で述べたとおり、技術コンサルタントに向いている文系も少なからず存在します。
上の1.(2)~(5)の有利な側面と不利な側面をまとめれば、下記のようになるでしょう。
「基礎知識がないことを認めて、素直に相手から情報を得る力を持っている人」、
「科学理論からのアプローチが苦手なことを認めて、言語学的なアプローチでのひらめきで勝負する方法を知っている人」、
「少なくとも数字アレルギーがなく、表を解析する訓練を積んでいる人」、
「高度な理論や専門用語を毛嫌いせず、新しい言語であるそれらをゼロから学ぶときに上達が早い人、すなわち言語力と論理力がある人」。
3.文系の技術コンサルとして活躍するには
文系出身者にとって、技術コンサルタントは遠い存在かもしれません。
ときには自分から望んだわけでもなく、技術コンサル的な仕事をすることになった文系の方もいるかもしれません。
そのような方は、昔は理系から経営コンサルや会計コンサルになろうという方はそこまで多くいなかったことを思い出してみるとよいかと思います。今では、理系の大学院を出ている方が経営コンサル等を目指すのは一般的になりつつあり、実際に人数も増加しています。
あらためて考えて、文系から技術コンサルを目指すことは不可能なのでしょうか。また、文系の自分に向かない職場に回されてしまったと考えて配置転換を祈ることだけが文系出身者に適した道なのでしょうか。
実際に理系出身者のみで技術問題の課題抽出や対応策の検討をしているのが現状です。しかし、文系の方の方が有利な場面は上記のとおりたくさん存在しています。今までは意図的にせよ違うにせよ、文系の方が技術問題の解決にあたる必要性は見過ごされてきたのが実情ですが、理系が圧倒的な有利というわけではないのです。
高校以降の教育の場では、理系は問題解決のスキルを身に付ける機会は予想以上に少ないという事実も上の例を読んでいただければわかると思います。
文系の技術コンサルがいきまり活躍するのは難しいと私も思います。ただし、それは理系の技術コンサルの有利なことを真似しようとしているからかもしれません。
文系出身者が技術問題の解決にあたり、自分の不利な側面を長所に変える方法を身につけたとき、さらに文系の有利な側面を打ち出せたとき、技術コンサルは経営コンサルや会計コンサルに勝るとも劣らない面白い分野になっているはずです。
そして、文系と理系のアプローチの両方を持つことが最終目標だとすれば、どちらの道から登っても目的地に辿り着くのにかかる時間は同じです。
長くなりましたが、社会人2年目になった初日のがーすーでした。