非研究職に就く元研究者の思い (2) | 技術コンサルティング研究会 BLOG

非研究職に就く元研究者の思い (2)

 年度末ということで、全国あちこちを納品、装置の組み立て、顧客トレーニングで渡り歩いているところのミランダ平社員です。おまけに米国のメーカーとの代理店契約の更新を控え、前回の英文契約書との比較表なども作成しております。本来はグループ長の仕事ですが、ご多忙とのことで、英語力を期待されて下っ端の私に回ってまいりました。

 上記からも類推されるように、仕事には「スペシャリストの罠」があると思うのですよね。「理系白書」という理系職を選択した人の生涯賃金などを文系職と比較したデータが集められた本を読んだことがありますが、実際に製品を開発・製造しているのは理系なのに、この報われなさは何だろう?と腑に落ちない気がいたしました。

 しかし、理系の一部の研究者・技術者の中には、人間関係をうまく調節するわずらわしさから逃れるために、研究室に閉じこもって実験だけに打ち込みたい/自分の得意分野の技術をマニアックに追求したい、と考えてしまいがちなところがあるのは否めず、進んでスペシャリストの枠内にとどまろうとする人もいらっしゃいます。そうすると、ニッチな自分のポジションはキープできるのですが、そこから脱出して、違う仕事がしたいと思ったときに、他のスキルを磨いてこなかったツケがまわってくるのです。結局、もっと大局観で会社の仕事を捉えることができるリーダーに便利に使われてしまいます。

 私はそのような便利な消耗品!にはなりたくないので、理系の知識+α(語学力、交渉術、コミュニケーション力、マネージメント能力など)を身につけ、自分の企画で人を動かすようになりたいものだと考えております。日々繰り返される同様の実験操作に対して飽きやすいという自分の性格もあると思いますが、上記の考えで、現在研究職に就いておりません。

 理系人間よ、地位の向上を目指して決起せよ。