技術コンサルと企業内技術者(研究者)の違い (9) | 技術コンサルティング研究会 BLOG

技術コンサルと企業内技術者(研究者)の違い (9)

こんばんは。がーすーです。

今年はものすごい暖冬で、雪不足と噂されていましたが、ついに来ましたね。
大きめの寒波が。

スキーをやる身としては雪不足の年というのはものすごく記憶に残るのですが、
実は降雪量データを冷静に見返すと、雪不足と自分が信じていた年も平年並み!
ということが多々あります。

一年間の降雪量というのは結構地域ごとに安定していて、
冬の前半12~1月で雪が降らない年はなぜか2月~3月に帳尻合わせが来ます。
とまあ、今年もそんな帳尻合わせ型気候(正式名称は知りません^^)な感じで
春過ぎまでスキーはできそうですね~


では、今回のテーマ:技術コンサルと企業内技術者との違いについて、です。

すでに周りのメンバーの方が大枠的な論点を潰しているので、
私は一点に絞って両者の違いを浮き彫りにしていきます。

ちなみに、私は企業で技術者をしたことがないので、
あくまで自分の大学院での研究生活が基準です。
企業での技術者の方の思考方法を全く理解できていないのかも知れません。。
では、気を取り直して書きます!

現実と可能性の関係
私は、「現実」と「可能性」をどこで区切るかという点も、
社外の技術コンサルと企業内技術者の違いかと思っています。

企業内技術者は、自分の今の限界という現実の枠を強固に築き、
非現実的なアイデアは駄目、遠回りするアイデアも駄目、コストが合わないアイデアも駄目など、
社内の常識から外れるような現実外の可能性を排除してしまうことが多いのではと思います。

一方、技術コンサルは、社外にいることもあり、現実と可能性の境目を少なくできます。
企業の方からすればアホみたいなアイデアも気軽に提案しますし、
一瞬遠回りに見えるが実はレバレッジが効いた(すなわち道具を活用する)アイデアも、
コストがかかりそうにみえるが、その場しのぎの安物を無理やり使うアイデアも、
何でも提案することが可能です。

実はこれ、全て富士ゼロックスさんの有名なCMを見た感想です。
風船が空に飛んでいって、突然出現したシーソーを二人の人間がこぎ、一人が大ジャンプ!
めでたく風船を女の子に返し、手助けした人間が拍手するというアレです。

www.fujixerox.co.jp/company/brand/solutionforyou/html/movie.html

あのCMで言うと、
大ジャンプして風船をつかみ、女の子に返す男=企業内技術者
シーソー接置して漕ぐのを手伝い、拍手する男=技術コンサル
ですね。

「風船が空に浮かんでいったのを見て諦めかける」=「人間の身体能力上、現実的な判断」。

「テコの原理(レバレッジ)を用いた安価な道具(シーソー)を接置し、漕ぐのを手伝う」
=「可能性はあっても非現実的な提案」。

シーソーは、「今風船を取る」という目標には、実は最短距離、低コスト、最高効率となります。
しかし、次の瞬間には無用の長物になりかねません。

正直、色々な方があのCMの感想を書いておられ、
一般的には拍手の男はBtoBのソリューションビジネスや、経営コンサル、ITコンサルと考えられている(というか、富士ゼロックス様のイメージ)と思います。

しかし、拍手の男=技術コンサルと考えるのが正解だと思っています。

人間を現実に空中に浮かばせることができるものは、現実にある物理的道具しかありません。
ソリューションや経営、ITでは頭の中や、紙面上、電子上の数字を動かせるだけです。

シーソーが無用の長物になるという方は、たぶん、瞬間的にしか役に立たない道具のみを考えているのでしょう。
特定の用途に特化したソフトウェアなど。

しかし、物理的に存在する道具は、ほかの用途に簡単に転用でき、他の道具の原料にもなります。
無用にはならず、新たな価値を生む資産として残り続けるはずです。
最近のエコブームに乗ればより今後はその傾向が高まるとも思えます(笑)

以上をまとめると、
「企業内技術者」=「社内の常識内で、現実的な、低リスクな選択肢を選ぶ」
「技術コンサル」=「非現実的な選択肢も提案し、瞬間的に最高効率を出せるアイデアを提案」

実際は、企業内技術者の方もちょっと背伸びした可能性のあるアイデアを
後押ししてもらうために技術コンサルにお墨付きをもらうこともあるでしょうし、
両者がお互いの立場をわかった上で共闘できればベストですね。

私も将来技術コンサルとなる機会を作ることができたら、
物理的に存在するレバレッジの効いた道具は企業にとっても資産になると信じ、
アイデアを出しまくりたいですね~。