仮想コンサルティング Part.1 (7) | 技術コンサルティング研究会 BLOG

仮想コンサルティング Part.1 (7)

こんばんわ、がーすーです。

仮想コンサルティング、なかなか面白そうですね。
お題からは大幅にはずれますが、島根から茨城まで輸送して処理しなくてはいけないなら、廃棄場を近場に作れないのかなぁと単純に思ってしまいました。
島根の工場よりも他の大きな工場を優先して廃棄場は作ったのでしょうね。

では本題です。
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島根県の工場から、茨城県の廃棄処理場までの、廃棄物の輸送について、
「最適・安価・安全なトラックの24時間監視システム」を提案して欲しい。
夜間輸送で、輸送時間は12~14時間。
監視システムは予算全体で2000万以内で安価に開発したい。
貴方はコンセプトを提案してくれればとりあえずはそれでよい。
納期は半年。
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では、考えていきます。
私は先に考える方針を決めてから調査をする派なので、何を考えるべきか、をまず考えます。
ちなみにメールで流れたヒントも見てしまったので、Q&A部分ではヒントを使って考えていきます。

1.成果物
まず、クライアントに提出する成果物、つまりアウトプットを確認します。
今回は「コンセプト」を出して欲しいということなので、抽象的な解決すべき課題を数多く抽出することに労力を割けばよいとイメージできます。
なので、具体的な商品よりは、どういう機能が欲しいかと機能面から考えればよさそうです。

2.目的
次に、今回のクライアントの目的を検討します。
お題のとおり、島根の工場~茨城の廃棄処理場間の廃棄物の輸送について「最適・安価・安全なトラックの24時間監視システム」を構築したいということです。
この目的を分けて、どのような機能が必要とされるか考えていくことにします。

2-1.「最適」
この条件はクライアントが判断すべき項目なので、コンサルタントとしては無視してよさそうです。

2-2.「安価」
今回の条件では具体的に2000万円以内とあります。
ここからコンサルタントの収入も得なければいけないので、こちらとしても1000万円取れるような安価なコンセプトにしたいです。
なので、「必要最小限の機能に絞り込む」ことを後々考えればよさそうです。

2-3.「安全」と「監視」
これらの条件は表裏一体と思われるのでまとめて考えます。
他の人にならって、5W1H型みたいな(漏れは便宜上ありありです)質問をしてみます。
【Q1】誰から?
【A1】賊から。詳しくは、以前に賊に襲われたのが、システム構築の動機。
【Q2】自社の内部犯行も防ぐか?
【A2】当然防ぎたいが、予算によっては物理的手段や教育でカバーも考える。
【Q3】トラックを監視したいとあるが、積荷の廃棄物は監視しなくてよいか?
【A3】実は以前に賊に襲われた理由は積荷を狙ってだった。廃棄物とあるが、裏世界では商品価値あるので、積荷も監視する。
【Q4】運転手の監視は?
【A4】実は、トラックには2人自社の人間が乗っているので相互監視している。だが、共謀されるリスクを回避できるシステムがあればお願いしたい。
【Q5】24時間監視とあるがシステム化はどの程度のレベルがよいか?外部の人間は割けるのか?
【A5】安価なほどよいので、監視部にいる人間が1人で余裕を持って監視できるレベルにしたい。
【Q6】島根~茨城間のルートの制限は?
【A6】毎回ルートを微妙にずらしている。特に毎回ルートをずらせれば通る道路に制限はない。

3.失敗パターン
このようにして必要な機能を考える材料は揃ってきました。
次に、典型的な監視の失敗例から考えてみます。
ここはクライアントに聞きにくいので、コンサルタントが独自に考えることになりがちです。
(1)積荷のみ奪われる。
(2)積荷+トラックを奪われる。
(3)積荷+トラック+運転手(ともう一人)ごと奪われる。
(4)事故でトラック運行不能。
まだまだあるかもしれませんが、最初はこれぐらい考えれば十分そうです。

4.課題抽出と必要な機能
上記の1~3で考えたことをまとめると、
「トラックの場所監視」×「積荷の場所監視」×「トラック内部の状態監視」×「トラックが運行可能かどうかの状態監視」×「外部者1人で監視可能」×「安価」
(理由は色々考えましたが略します。。。)
このような要件を満たせば必要最小限と想定できそうです。

5.コンセプト
上記の要件に加えて、2000万円程度のシステムではトラックは人力でしか動かせないという現実的な特別条件を考えられます。
つまり、「トラック、運転手、同伴者、積荷の4者は近くにいること」も考慮してよさそうです。
これらをまとめたコンセプトとしては、
「トラックの場所をGPSで把握」×「積荷の場所をGPSで把握」×「運転手の場所をGPSで把握」×「同伴者の場所をGPSで把握」×「4者の位置が離れたら外部者監視者に警告」×「4者の位置が一定時間動かなかったら外部者監視者に警告」」×「4者の位置がルートどおりか外部監視者が簡単にわかる設備(パソコンで十分?)」×「3(3)のすべてのっとり防止機能」
程度が必要最小限のコンセプトと考えられます。

ということで、あとはこのコンセプトが実現可能かの調査や、似たようなシステムやそれが商業的に買えるかの調査や、GPSと同等の機能を持つような商品(無線とか発信機とか)の値段の調査などをしていけばよいのかなと思います。

実際はこのあとクライアントにもっと質問をして、他に必須機能があるかよく聞かないとですよね。
このコンセプトに固執する必要もないので、どの機能が必要か考えて臨機応変に仕様を変える必要があると思います。