仮想コンサルティング Part.1 (1) | 技術コンサルティング研究会 BLOG

仮想コンサルティング Part.1 (1)

もりぞーです。


先日、勉強会メンバーとSkypeで会議をしました。

数名での会議でしたが、通話品質もよくて、なかなか使えそうです。

これからも機会があれば利用したいと思います。

世の中、ますます便利になっていきますねぇ~。


* * *


今回は、仮想コンサルティングにチャレンジします。


仮想事例を通して、各メンバーのコンサル観を見ていくというのが

今回の趣旨です。


お題は、以下の通り。


 ===
 島根県の工場から、茨城県の廃棄処理場までの、廃棄物の輸送について、
 「最適・安価・安全なトラックの24時間監視システム」を提案して欲しい。
 夜間輸送で、輸送時間は12~14時間。
 監視システムは予算全体で2000万以内で安価に開発したい。
 貴方はコンセプトを提案してくれればとりあえずはそれで良い。
 納期は半年。
 ===


* * *


 (もりぞー)


私は技術コンサルの中心を、課題の抽出に当てたいと考えて

おります。


ということで、私は課題の抽出過程にスポットをあてます。


・・・


クライアント(以下、ク)「島根県の工場から、茨城県の廃棄処理場までの、

廃棄物の輸送について、 「最適・安価・安全なトラックの24時間監視システム」

を提案して欲しいのだが。夜間輸送で、輸送時間は12~14時間をみている。
監視システムは予算全体で2000万以内で安価に開発したいというのが希望だ。」


もりぞー(以下、も)「わかりました。まず、なぜシステムを必要とするのですか?」


ク 「それは、これまでにも輸送をしていたのだが・・・・というトラブルがあって、

今回新たにシステムを構築する必要が出てきた。」


も 「なるほど、・・・・という問題があって、それを回避するのが何より先決すべき

事項なのですね。

では、これまでにどのように廃棄物の輸送が行なわれていたのですか?」


ク 「これまでは数台のトラックで、規定のルートを通って、規定の時間内に

輸送をしていた。その結果、上記トラブルが起きた。」


も 「そのトラブルの詳細を教えていただけますか?」


ク 「トラブルの詳細は、・・・だ。規定のルートを通って、規定の時間内に

輸送していたことに問題があると思うのだが。。。」


も 「(トラブルの内容によっては監視の規模と範囲が見えてくるな。)

トラブルについては少しこちらで検討してみます。

次に、ちょっと細かくなりますが、トラックの台数とドライバー

の数を教えてください。」


ク 「台数とドライバーは、・・・だ。」


も 「輸送時間は、12~14時間でいいんですよね?」


ク 「その通り。」


も 「規定ルートの詳細を教えてください。」


ク 「(地図を広げながら、) ルートは○通りあって、・・・だ。」


も 「積荷は廃棄物ですが、その他に毎回携行するものはありますか?」


ク 「積載票とドライバー票だね。これらは到着先の工場で積荷といっしょに回収

している。」


も 「最後に、従来の輸送費用を教えていただけますか?」


ク 「これまでの輸送費用は、・・・・くらいだ。」


も 「ありがとうございました。ご回答いただいた内容について、持ち帰って検討して

みます。新たな疑問点が生じましたら、再度打ち合わせの場を設けさせてください。」


以上で現状把握のヒアリングは終了です。


聞いた内容をまとめると、

Why ・・・ トラブルがあったから。トラブルの詳細は要検討。

How ・・・ 数台のトラックで、規定のルートを通って、規定の時間内に輸送をしていた

Who ・・・ トラックの台数とドライバーの数

When ・・・ 夜間の12~14時間

Where ・・・ ○通りのルート

What ・・・ 積荷、積載票とドライバー票

How much ・・・ 輸送費用の概算値


クライアントの要望は、「最適・安価・安全なトラックの24時間監視システム」である

わけですが、そのシステムを構築する理由と現状の方法をまず聞きだしました。


もちろん、もっと細かい情報を聞く必要があるでしょう。


でも、初動はこれだけの情報でいいと思います。


次の一手は、前記5W2H事項のさらに詳細に分解して得た情報を基に、

あるべき姿と現状の乖離を見つけること、

そのためには、「最適・安価・安全」と反対のシステムから現状のシステムを

比較分析して、あるべき姿を導くというのも有効だと思います。


なお、監視方法には二通りの方法が考えられます。


一つは、ドライバーから情報を得て監視する方法。

もう一つは、ドライバーの無意識下、すなわちトラックや街頭になんらかの仕掛けをして

監視する方法です。


ドライバーの情報を得て監視する方法としては、ある一定の距離や時間ごとに

ドライバーから何らかの端末を使って情報を送ってもらう方法ですね。


もう一つの方法は、ICチップやGPSを使って、オンタイム又はある単位で

監視する方法といえるでしょうか。


前者は安価、後者は高価になります。


課題を抽出することができれば、従来の監視方法の当てはめができるのでは

ないでしょうか。