技術コンサルにとっての専門性とは(7) | 技術コンサルティング研究会 BLOG

技術コンサルにとっての専門性とは(7)

がーすーです。

最近気になるのは世界経済・・・なんて高尚なものではなく、

サーチャージが年末までに安くなるのかです。

今の所、飛行機代に加えてサーチャージで6万取られる予定なんですが、

これがゼロになってくれれば最高ですね。


では、今回のテーマ:「技術コンサルタントにとっての専門性とは」についてです。

ちなみに今回は語るべき視点を固定することとしていますので、私もクライアントを、

・「技術問題の解法に困っている」タイプ

・「技術の使い途に困っている」タイプ

に分けて、彼らの視点で技術コンサルの専門性について語っていきます。


1.「技術問題の解法に困っている」クライアント

クライアントは、技術的な問題に直面して何かの解決策を求めています。

この場合、クライアントの中ではすでに技術問題を解決しようと四苦八苦した後であり、

独自の「解決策案」がおぼろげながら思いついているものの、さらなるアドバイスを求めている場合が多いです。

この場合、技術コンサルタントに求められている「解決策」とは、すでにクライアントが検討した「解決策案」の中で、

「どれが一番妥当か、ベストモードを客観的に判断して欲しい」、

「解決策案をより妥当なものに高めて欲しい」といった要望だと考えられます。

では、このような要望をもっているクライアントは、どのような専門の技術コンサルタントを探すでしょうか。

私は、「客観的に、かつ、自然法則(原理)を基準として、クライアントが自分で考え出した解決策案を検討できる人」だと考えます。

これを裏返せば、技術コンサルタントにとっての専門性とは、「客観的に、かつ、自然法則(原理)を基準として、クライアント独自の解決策案を検討できる範囲」を提示するのが一番クライアントとのマッチング上はよいこととなります。

具体的には、私の場合、一般的には、「応用化学」という大きさがちょうどいい範囲と考えています。

一通り大学で基本を勉強した範囲であり、原理原則がわかる範囲であるためです。

一方、私は突然分子側鎖の回転角度を検討して下さいと頼まれても参考書を紐解かなければ詳細な検討などとてもできないので、理論化学は専門外となります。

ただし、「客観的に、かつ、自然法則(原理)を基準として、クライアント独自の解決策案を検討できる範囲」は、クライアントとのマッチングを重視することによって変動する概念となります。

クライアントのある部署に依頼された場合、その部署では「有機化学・高分子化学」の知識が求められているなら、専門は「応用化学」と述べるだけでは足りず、その中でも「有機化学・高分子化学」が専門と自分から述べる必要があることになります。


2.「技術の使い途に困っている」クライアント

技術コンサルタントに依頼するクライアントが企業であることを考えれば、技術をお金に変えることがクライアントの目標です。

すなわち、クライアントは、新規な技術を保有しているものの、金になる応用分野を教えて欲しいという要望があるわけです。「1」のクライアントの要望への解決策の違いは、全く検討をクライアントがしていない場合が有り得る点、海外での事業化も含めて検討しなければならない点です。2点目について詳しくは、日本で金にならなくても海外では金になる技術はいくらでもあるからです。

では、このような要望をもっているクライアントは、どのような専門の技術コンサルタントを探すでしょうか。

私は、「客観的にクライアントの技術を価値評価できて世界経済に強い人、もしくは、その技術の属する分野に詳しく誰に相談すべきかアドバイスできて世界経済に強い人」だと考えます。

これをベースに考えると、技術コンサルタントにとっての専門性とは、「客観的にクライアントの技術を価値評価できる範囲、その技術の属する分野に詳しく誰に相談すべきかアドバイスできる範囲(そして、技術の側面からの世界経済に強いこと)」を提示するのが一番となります。

具体的には、「1」と同じく「応用化学」が専門ということでちょうどよい大きさの範囲となります。

ちなみに、日経産業新聞では、「素材・エネルギー」というフレームワークが毎日あります。

つまり、世界経済の世界でも、これぐらいの大きさが1つの専門の大きさと認知されていることの裏づけになるかと思います


3.まとめ

具体的には、私の場合であれば「応用化学」、顧客とのマッチングが求められる場合は「その中でも有機化学」が専門と言えるという結論です。


・・・蛇足ですが、「2」で詳しく述べなかった、誰に相談するかアドバイスする点ですが、私は人脈と一言で片付けるのはちょっとまずいと思っています。

というのも、人脈が全てと考えてしまったら、若手にチャンスはありませんし。

ということで、私は、どのような調査会社が世の中にあるかを知っておくことも人脈構築と同じくらい大事かと思っています。